カラー
In-Sight カラーツールは、カラーデータに基づいて対象物を識別し照合するために使用されます。このカラーツールには次の関数があります。
- ExtractColor 関数: TrainExtractColor カラーライブラリで選択された登録カラーモデルを照合する、対象領域 (ROI) 内にあるピクセルの数を特定します。
- MatchColor 関数: TrainMatchColor カラーライブラリの登録カラーと照合する、ROI 内のカラーを特定します。
- TrainExtractColor 関数: ExtractColor 関数と共に使用するようにカラーライブラリを構築します。
- TrainMatchColor 関数: MatchColor 関数と共に使用するようにカラーライブラリを構築します。
- カラーの In-Sight ビジョンシステムまたはエミュレータに接続して、これらのビジョンツールを有効にする必要があります。
- ExtractColor 関数は TrainExtractColor 抽出カラーライブラリデータ構造体を参照する必要があり、MatchColor 関数は TrainMatchColor マッチカラーライブラリデータ構造体を参照する必要があります。参照していない場合、これらの関数は #ERR を返します。
カラーツールについて
カラーツールの内容
ExtractColor および MatchColor ツールは、カラーデータに基づいて対象物を識別し照合します。形状が同じであるものの、異なるカラーまたはカラーのシェードで構成されている対象物を検査するなどします。このツールは、ピークカラーの表示を計算する ExtractColor ツールおよび平均カラーの表示を計算する MatchColor ツールを使用して、内部でカラーのヒストグラムプロジェクションを生成して、カラーデータを計算します。
ExtractColor と TrainExtractColor
カラーマシンビジョンアプリケーションの開発では、頻繁に対象物をその独特のカラーに基づいて識別する必要があります。ただし、ワールド座標では、例えば照明や対象物のトポログラフィなどが原因で、対象物のカラーが均一でなく、ある程度のばらつきがあることがあります。
ExtractColor ツールは、このばらつきを検査時に考慮するようにプログラミングすることができます。トレーニングフェーズでは、TrainExtractColor 関数を使用して複雑なカラーモードのライブラリを作成し、RGB 値の 3D 分布を統合します。次に、ランタイム操作時に、ExtractColor 関数によって、作成されて TrainExtractColor 関数のライブラリに格納された、登録カラーモデルを照合する ROI 内のピクセルの数の表示を調べます。ピクセル数が最高のカラーモデルは、最適一致としてランクされます。
MatchColor と TrainMatchColor
速度が重要であり、検査されているカラーがほぼ均一であるマシンビジョンアプリケーションでは、MatchColor ツールによって必要な速度と精度が得られます。MatchColor ツールで ROI 内の平均カラーを調べ、以前に登録されたカラーが保存されているリストとこの値を比較します。トレーニングフェーズでは、TrainMatchColor 関数を使用してカラーのライブラリを作成し、ROI 内の RGB と HSI の平均値を調べます。次に、ランタイム操作時に、MatchColor 関数によって、作成されて TrainMatchColor 関数のライブラリに格納された、登録カラーを照合する ROI 内の RGB または HSI の平均値の表示を調べます。最高得点のカラーは、最適一致としてランクされます。
カラーツールを使用する場合
このカラーツールは、次の状況で有用です。
ExtractColor と TrainExtractColor
- ExtractColor ツールは、各種のシェードとカラーで構成された対象物に使用すると最も効果的です。
- ExtractColor ツールは MatchColor ツールよりも低速ですが、より正確であり、より複雑なカラーや微妙な違いを識別することができます。
- ExtractColor 関数は、その他の In-Sight ビジョンツールによって参照できる画像を出力します。
MatchColor と TrainMatchColor
- MatchColor ツールは、程度の差はあっても、均一な色や単色の対象物に使用すると最も効果的です。
- MatchColor ツールは ExtractColor ツールよりも高速で、解像度は 24 ビットです。
カラーツールを使用する理由
カラーツールのカラー解析は、以下のようなアプリケーションで非常に有用です。
ExtractColor と TrainExtractColor
パーツ有無判定アプリケーション
対象物と関連付けられ、参照されているカラーモデルのピクセル数に基づいて、対象物が存在するかどうかを判定するように、ExtractColor ツールを設定することができます。ピクセル数データから十分なデータが得られない場合は、バイナリ画像を出力するように ExtractColor 関数を設定し、これを ExtractBlobs 関数によって参照できるようにして、ExtractColor 関数によって出力されたバイナリピクセルのブロブが、対象物に設定されたブロブ許容値の範囲内になるようにします。
パーツの識別
パーツに固有のカラーを計算することによって、存在する対象物を識別するように ExtractColor ツールを設定することができます。このタイプのアプリケーションでは、ピクセル数が最高のカラーモデルが、画像内の対象物の表示を表すカラーモデルであると見なされます。
MatchColor と TrainMatchColor
カラーの検証
現在の画像内の ROI が、登録カラーのライブラリにどの程度合致するかを数値化するように、MatchColor ツールを設定することができます。この目的は、ROI 内のカラーと登録カラーとの差異が小さくなるようにすることです。
パーツまたはカラーの照合
このタイプのアプリケーションでは、画像内の現在のカラーに最適一致するカラーを報告するように、MatchColor ツールを設定することができます。一致得点を使用して各登録カラーをランク付けし、最高一致得点のカラーが最適一致であると判断されます。
カラーツールの使用方法
このカラーツールは、通常は次の方法で使用します。
ステップ 1 - 対象物を検証して、ExtractColor または MatchColor ツールによって、そのカラーデータの解析がより良好に行われるかどうかを判定します。
ステップ 2 - TrainExtractColor または TrainMatchColor 関数をスプレッドシートに挿入し、登録カラーのライブラリを構築します。
ステップ 3 - ExtractColor または MatchColor 関数をスプレッドシートに挿入し、ライブ画像を登録ライブラリと比較します。