文字列関数

文字列関数は、In-Sight センサとリモートデバイス間で交わされる表示と通信のための英数字データをフォーマットします。

:  
  • [インデックス] パラメータはゼロベースです。つまり、文字列の最初の文字にはインデックス 0、2 番目の文字にはインデックス 1 というようにインデックスが割り当てられます。
  • セルの幅よりも 1 文字分幅が大きいテキスト文字列は切り捨てられることがあります。列の幅を増やすか、文字列に空白文字を追加すると、文字列全体が表示されます。
関数 説明
Code

文字列内の最初の文字の、ASCII コードに対応する整数値を返します。

閉じたコードの例

セル A2 に英数字文字列「ABC123」が含まれている場合、関数 Code(A2) は、「A」の ASCII コード 65.000 を返します。

Concatenate(引数 1, [引数 2, 引数 3, ...])

複数の英数字テキスト文字列の連結を返します。数値の引数は自動的にテキストに変換されます。

:  In-Sight 2000-110/120/120C ビジョンセンサは、出力データとして合格/不合格データしか返さず、戻り値は 0 または 1 に変換されます。

閉じた連結の例

セル A2 に英数字文字列「A1B1」が含まれ、セル A3 に英数字文字列「C1D2」が含まれ、セル A4 に浮動小数点数 4.556 が含まれている場合、関数 Concatenate(A2,A3,A4) は「A1B1C1D24.556」を返します。

Encrypt(キー, 値, 出力形式) 結果データを暗号化し、暗号化された文字列を返します。詳細については、暗号化のトピックを参照してください。
Exact(テキスト 1, テキスト 2)

Text1 と Text 2 が同一の場合は 1 を返し、それ以外の場合は 0 を返します。

:  Exact は大文字と小文字を区別します。

閉じたExact の例

セル A2 に文字列「ABC123」が含まれ、セル A3 に文字列「ABC1234」が含まれている場合、Exact(A2,A3)0.000 を返します。

セル A2 に文字列「VISION」が含まれ、セル A3 に文字列「VISION」が含まれている場合、Exact(A2,A3)1.000 を返します。

Find(FindText, SrcText, [StartChar])

文字列テキスト 2 に含まれる文字列テキスト 1 のインデックス付き位置を返します。テキスト 1 の検索は、テキスト 2 内で任意で指定した StartChar 位置から開始されます。

:  Find は大文字と小文字を区別します。

閉じたFind の例

セル A2 に文字列「123」が含まれ、セル A3 に文字列「ABC123」が含まれている場合、Find(A2,A3,2) は (ゼロベースの) インデックス値 3.000 を返します。

検索がインデックス 4 で開始されると、文字列全体「123」が文字列「ABC123」内で見つからないため、関数 Find(A2,A3,4)-1.000 を返します。

FormatString(フォーマット文字列, [テキスト/値, ...])

「C」ライブラリの標準フォーマット文字列で構成されたテキスト文字列を返します。FormatString はほとんどのフォーマット文字列パラメータをサポートします。[FormatString] ダイアログを使って、この関数を In-Sight Explorer 内で自動的に設定します。

:  
  • FormatString を手動で編集することは推奨されません。
  • In-Sight 2000-110、2000-120、2000-120C ビジョンセンサは、出力データとして合格/不合格データしか返さず、戻り値は 0 または 1 に変換されます。
Left(テキスト, NumChars)

テキスト文字列の左端の文字 (NumChars) を返します。

閉じたLeft の例

セル A2 に英数字文字列「ABC123」が含まれている場合、関数 Left(A2,2) は文字列「AB」を返します。

Len(テキスト)

テキスト文字列の文字数 (バイト単位) を返します。

閉じたLen の例

セル A2 に英数字文字列「ABC123」が含まれている場合、関数 Len(A2) は整数値 6.000を返します。

Lower(テキスト)

小文字に変換されたテキストを返します。

閉じたLower の例

セル A2 に英数字文字列「ABC123」が含まれている場合、関数 Lower(A2) は文字列「abc123」を返します。

Mid(テキスト, StartChar, NumChars)

英数字文字列内のインデックス付き StartChar 位置から始まるテキストを返します。返される文字数は、NumChars で指定した文字数です。

閉じたMid の例

セル A2 に英数字文字列「ABC123」が含まれている場合、関数 Mid(A2,2,2) は文字列「C1」を返します。

Replace(SrcText, StartChar, NumChars, NewText)

インデックス付き位置 StartChar で NewText によって変更された SrcText を返します。

閉じたReplace の例

セル A2 に英数字文字列「ABC123」が含まれ、セル A3 に文字列「123」が含まれている場合、Replace(A2,0,3,A3) は文字列「123123」を返します。

Right(テキスト, NumChars)

テキスト文字列の右端の文字 (NumChars) を返します。

閉じたRight の例

セル A2 に文字列「ABC123」が含まれている場合、Right(A2,2) は、「23」を返します。

Strcspn(SrcText, CharList)

CharList にも含まれている SrcText の最初の文字のインデックスを返します。CharList 内に SrcText の文字がない場合は、SrcText の長さを返します。

:  Strcspn は大文字と小文字を区別します。

閉じたStrcspn の例

セル A2 に文字列「BLUE」が含まれ、セル A3 に文字「RED」が含まれている場合、Strcspn(A2,A3)3.000 のインデックス値を返します。これは、SrcText に含まれている CharList の最初の文字が「E」であるためです。

Stringf(フォーマット文字列, [テキスト/値, ...])

「C」ライブラリの標準フォーマット文字列で構成されたテキスト文字列を返します。

ヒント :  FormatString 関数はほとんどのフォーマット文字列パラメータをサポートします。[FormatString] ダイアログを使用して、In-Sight Explorer 内でパラメータを自動的に設定します。
:  
  • In-Sight 2000-110/120/120C ビジョンセンサは、出力データとして合格/不合格データしか返さず、戻り値は 0 または 1 に変換されます。
  • フォーマット文字列は引用符 (") で囲む必要があります。
  • フォーマット文字列のパラメータには大文字と小文字の区別があります。
  • 文字列関数を使用する場合、バックスラッシュ「\」を使って、フォーマット制御文字が続くことを示します。バックスラッシュの後に制御文字 (「n」、「r」、または「t」) が続かない場合、バックスラッシュは無視されます。1 つのバックスラッシュを表示するには、2 つのバックスラッシュを入力する必要があります (例:  Stringf("C:\\InSight2\\") = "C:\InSight2\")。
  • 印刷不可/制御コードの ASCII 文字は、シンボルまたは「ガベージ」テキストとして表示されます。

使用できるフォーマット文字列パラメータは次のとおりです。

%c

整数値に対応する ASCII 文字を返します。英数テキスト文字列が入力されると、最初の文字を返します。

閉じたStringf %c の例

セル A2 に整数値 65.000 が含まれている場合、Stringf("%c",A2) は、ASCII コード 65 に相当する文字「A」を返します。関数 Stringf("Value = %c",A2) は文字列「Value = A」を返します。

セル A2 に文字列「123ABC」が含まれている場合、Stringf("%c",A2) は文字「1」を返します。

%d

整数値を含む文字列を返します。

閉じたStringf %d の例

セル A2 に浮動小数点値「123.456」が含まれている場合、Stringf("%d",A2) は、数値文字列「123」を返します。関数 Stringf("Value = %d",A2) は英数字文字列「Value = 123」を返します。

セル A2 に文字列「ABC123」が含まれている場合、Stringf("%d",A2) は、文字「A」の ASCII コードである数値文字列「65」を返します。

%e

科学的表記法値を含む文字列を返します。小数点以下の桁数は、% と e パラメータの間に小数点 (.) と数値を入力して指定できます。

閉じたStringf %e の例

セル A2 に浮動小数点値「123.456」が含まれている場合、Stringf("%e",A2) は、数値文字列「1.234560e+02」を返します。小数点以下 1 つの数のみが指定されているため、関数 Stringf("%.1e",A2) は数値文字列「1.2e+02」を返します。

%f

浮動小数点値を含む文字列を返します。小数点以下の桁数は、% と f パラメータの間に小数点 (.) と数値を入力して指定できます。

閉じたStringf %f の例

セル A2 に浮動小数点値「123.456」が含まれている場合、Stringf("%f",A2) は、数値文字列「123.456001」を返します。小数点以下 1 つの数のみが指定されているため、関数 Stringf("%.1f",A2) は数値文字列「123.5」を返します。

%H

In-Sight センサの特定のホスト名を含んだ文字列を返します。

閉じたStringf %H の例

ホスト名が「is3k010203」の In-Sight センサ上のセルに関数 Stringf("Host Name: %H") が含まれている場合、この関数は英数字文字列「Host Name: is3k010203」を返します。

%I

In-Sight センサの特定の IP アドレスを含んだ文字列を返します。

閉じたStringf %I の例

IP アドレスが「198.232.26.1」の In-Sight センサ上のセルに関数 Stringf("IP Address: %I") が含まれている場合、この関数は英数字文字列「IP Address: 198.232.26.1」を返します。

%M

In-Sight センサの特定の MAC アドレスを含んだ文字列を返します。

閉じたStringf %M の例

MAC アドレスが「00-d0-24-01-02-03」の In-Sight センサ上のセルに関数 Stringf("MAC address: %M") が含まれている場合、この関数は英数字文字列「MAC Address: 00:d0:24:01:02:03」を返します。

%N

In-Sight センサの特定のシリアル番号を含んだ文字列を返します。

閉じたStringf %N の例

シリアル番号が「Z01020304」の In-Sight センサ上のセルに関数 Stringf("Serial Number: %N") が含まれている場合、この関数は英数字文字列「Serial Number: Z01020304」を返します。

%o

整数値の 8 進数値を含む文字列、または英数文字列の最初の文字を返します。

閉じたStringf %o の例

セル A2 に整数値 123.000 が含まれている場合、Stringf("%o",A2) は、整数 123 の 8 進数値である英数字文字列「173」を返します。セル A2 に文字列「ABC123」が含まれている場合、Stringf("%o",A2) は、文字「A」の 8 進数値である英数字文字列「101」を返します。

%s

英数字文字列が付加された文字列を返します。

閉じたStringf %s の例

セル A2 に文字列「ABC」が含まれている場合、Stringf("%s123",A2) は英数字文字列「ABC123」を返します。セル A2 に英数字文字列「123」が含まれている場合、Stringf("%s.450",A2) は、数値文字列「123.450」を返します。

%T

In-Sight センサの特定のモデルタイプを含んだ文字列を返します。

閉じたStringf %T の例

In-Sight 5400 センサ上のセルに関数 Stringf("Model Type: %T") が含まれている場合、関数は英数字文字列「Model Type: 5400」を返します。

%u

符号なし整数値を含む文字列を返します。

閉じたStringf %u の例

セル A2 に浮動小数点値「123.456」が含まれている場合、Stringf("%u",A2) は、数値文字列「123」を返します。関数 Stringf("Value = %u",A2) は英数字文字列「Value = 123」を返します。

セル A2 に文字列「ABC123」が含まれている場合、Stringf("%u",A2) は、文字「A」の ASCII コードである数値文字列「65」を返します。

%V

In-Sight センサの特定のファームウェアバージョンを含んだ文字列を返します。

閉じたStringf %V の例

ファームウェアバージョン 3.40.01 を実行する In-Sight センサ上のセルに関数 Stringf("Firmware Version: %V") が含まれている場合、この関数は英数字文字列「Firmware Version: 3.40.01 (475)」を返します。

%x または %X

整数値の 16 進数値を含んだ文字列、または英数字文字列の最初の文字を返します。

閉じたStringf %x の例

セル A2 に整数値 123.000 が含まれている場合、Stringf("%x",A2) は、整数 123 の 16 進数値である文字列「7b」を返します。セル A2 に文字列「ABC123」が含まれている場合、Stringf("%x",A2) は、文字「A」の 16 進数値である数字列「41」を返します。

以下のフォーマット文字列パラメータは主に、テキストのフォーマットに使用されます (例えば、関数 WriteSMTP でメールアドレスのテキストをフォーマットするなど)。

\x##

16 進数 ## で指定された ASCII 文字をテキストに挿入します。

閉じたStringf \x## の例

セル A2 に Stringf("\x02123\x1bABC\x03456") が含まれている場合、セルには ("<STX>123<ESC>ABC<ETX>456") が表示されます。

\n 改行をテキストに挿入します。このパラメータは通常、\r (復帰改行) と一緒に使用されます。
\r 復帰改行をテキストに挿入します。このパラメータは通常、\n (改行) と一緒に使用されます。
\t tab をテキストに挿入します。
Strspn(SrcText, CharList)

CharList に含まれていない SrcText の最初の文字のインデックスを返します。SrcText のすべての文字が CharList 内にもある場合は、SrcText の長さを返します。

:  Strspn は大文字と小文字を区別します。

閉じたStrspn の例

セル A2 に文字列「RED」が含まれ、セル A3 に文字「GREEN」が含まれている場合、Strspn(A2,A3)2.000 のインデックス値 (ゼロベース) を返します。これは、SrcText に含まれていない の最初の文字が「D」であるためです。

Strtol(IntegerText)

英数字文字列が始まる箇所で数値文字(10 進数、16 進数、8 進数) を整数に変換します。16 進数文字は「0x」で開始し、8 進数文字は「0」で開始する必要があります。

閉じたStrtol の例

10 進値: セル A2 にテキスト文字列「123ABC」が含まれている場合、関数 Strtol(A2) は整数値 123.000を返します。

16 進値: セル A2 にテキスト文字列「0x123」が含まれている場合、Strtol(A2) は整数値 291.000を返します。

「A」と「B」は 16 進数文字なので、「0x12AB」 = 4,779.000 になります。

「G」は 16 進数文字ではないため、「0x12GB」 = 18.000 になります。

8 進値: セル A2 にテキスト文字列「0123ABC」が含まれている場合、Strtol(A2) は整数値 83.000を返します。

Substitute(SrcText, OldText, NewText, [インスタンス])

SrcText の OldText が出現するたびに NewText に置換することで作成されたテキスト文字列を返します。オプションのインスタンスインデックスを指定した場合、そのインスタンスのテキストだけが置換されます。

閉じたSubstitute の例

セル A2 にテキスト文字列「ABC123123」が含まれ、セル A3 に文字列「123」が含まれ、セル A4 に文字列「abc」が含まれている場合、Substitute(A2,A3,A4,1) は SrcText の 2 番目のインスタンス「123」を置換し、文字列「ABC123abc」を返します。

Token(テキスト, 区切り文字, インスタンス)

区切られた文字列の指定のインスタンスインデックス (出現) で見つかったテキストを返します。関数内の区切り文字は引用符 (") で囲む必要があります。

閉じたToken の例

セル A2 にカンマ区切り文字列「A,B,C,1,2,3」が含まれている場合、C はテキスト内のインデックス 2 に位置しているので、Token(A2,",",2)「C」を返します。

Trim(テキスト)

先頭のスペースと末尾のスペースが除去され、単語の間に 1 つのスペースだけがある (スペースがある場合) テキストが返されます。制御文字 (復帰改行、改行など) もすべて除去されます。

閉じたTrim の例

セル A2 に文字列「 ABC   123 」が含まれている場合、Trim(A2) は、「ABC 123」を返します。

Upper(テキスト)

大文字に変換されたテキストを返します。

閉じたUpper の例

セル A2 に英数字文字列「abc123」が含まれている場合、関数 Upper(A2) は文字列「ABC123」を返します。

Value(数値テキスト)

数値テキストの浮動小数点値を返します。後続の数値以外の文字は無視されます。

閉じたValue の例

セル A2 に数値文字列「123.4」が含まれている場合、関数 Value(A2) は浮動小数点値 123.400を返します。

:  

In-Sight セルでは、7 桁までの数値を入力できます。Value 関数が、8 桁以上の数値テキストを参照する場合、浮動小数点データ型の制限により、値が正確ではないことがあります。次に例を示します。

A2 = '68456668

A3 = Value(A2)

この場合、68456672.000 が返されます。