ニューラルネットワークの処理 (推論)

ランタイム時には、ランタイム画像からの各サンプルが、ツールの学習済みネットワークを使用して個別に処理され、サンプルごとに個々のネットワーク応答が取得されます。ネットワークからの応答は、確率マップとして表現されます。つまり、サンプリングされた入力画像の領域内の各ピクセルに確率が割り当てられます。確率マップの意味は、どのツールが使用されているかによって異なります。High Detail モードの解析 (赤) ツールに対しては、応答はサンプリング領域内の各ピクセルが画像欠陥内に存在する確率になります。

これらの画像全体の確率マップは、個々のサンプルに対して補間されたネットワーク応答から収集されます。ユーザに返される最終結果 (特徴のポーズと識別、欠陥領域) は、ユーザが欠陥の確率に対するしきい値を指定することで制御する結果の形成プロセスに基づきます。

上のコンテキストでは、ツールによって返される確率は、我々が特定の判断を下す可能性をそのまま反映したものではないこともあります。これは、ツールの "世界観が限られている" ことが主な原因です。つまり、我々の広範囲にわたる豊富な視覚経験に対してではなく、少数のクラスの非常に限られた視覚の世界に関する確率が返されるためです。

学習済みツールの処理 (推論) は、問題なく学習が終了すると自動的に実行されます。学習済みツールを手動で再処理する場合は、 ボタンをクリックします。

 

処理パラメータの設定

The Processing parameters control the way that images are processed by the tool. This is often called ‘inference’ in deep learning. Processing with the same models will always give you the same results. Changing these parameters does not require the tool to be retrained; the effect can be seen right away by reprocessing the database. ツールの再処理を行うには、 ボタンをクリックします。

パラメータ 説明
しきい値

T1T2 の 2 つの設定があります ([T1,T2] と表す)。これらは、領域が検出され、良好または不良としてマークされるかどうかを判断するためのしきい値を決定します。T1 より下の値は良好として分類され、T2 より上の値は不良として分類されます。T1T2 の値は、「データベースの概要」の [得点] グラフィックを使用してインタラクティブに設定することもできます。

自動

[自動] (自動しきい値) を有効にすると、ドロップダウンメニューの各基準に従って、[データベースの概要] のコンフュージョンマトリックスの F1 得点が最大になる T1 および T2 しきい値が計算されます。4 つの基準は [データベースの概要][カウント] ドロップダウンメニューの基準と同じです。詳細については、「得点カウントフィルタ」を参照してください。

領域フィルタ

見つかった領域の基準として使用するツールのフィルタを指定します。フィルタを指定することで、フィルタに一致しない領域は結果から削除されます。パラメータを空白のままにした場合は、すべての領域が返されます。

Note: フィルタのシンタックスは、表示フィルタに使用されるシンタックスと同じです。詳細については、「カスタム表示フィルタ」を参照してください。

使用可能な領域のプロパティは、次のとおりです。

  • 得点
  • 面積
  • 周囲長
  • コンパクトさ
  • x
  • y
ダウンサンプリングサイズ

ダウンサンプリングの大きさ。処理の結果は、入力ビューの欠陥確率で構成されるヒートマップであり、このレベルのサイズのカーネルでダウンサンプリングされます。

 

たとえば、結果のサイズが 128x128 でダウンサンプリングサイズが 16 の場合、解析 (赤) High Detail モードではこれを 16x16 カーネルでダウンサンプリングします。この場合、ダウンサンプリングされた結果は、元の 128x128 出力で最も高い欠陥確率のピクセルを含む 8x8 パッチになります。次に、解析 (赤) High Detail モードでは、この 8x8 パッチから 128x128 ヒートマップを再構築し、これが最終結果となります。

 

一般的に、ダウンサンプリングサイズが大きいほど、処理時間が短くなり、再現率は高くなりますが、適合率は低下します。ダウンサンプリングサイズに使用できる値は、1 からビューのサイズ (ビューの幅または高さ) までです。

 

この値を変更すると、他の処理パラメータを変更する場合に比べて再処理に時間がかかり、ランダムであるために処理結果がわずかに変化します。

Note: 画像によっては、ダウンサンプリングサイズを大きくすると、処理速度が低下する場合があります。ダウンサンプリングカーネルのサイズを大きくすると、処理のブロブ計算の量が減りますが、同時に画像圧縮が追加されるため、処理速度は低下します。
画像全体の処理

[画像全体の処理] を有効にすると、ツールは各画像を全体として処理します。このオプションはデフォルトで有効になっており、使用可能な GPU メモリが十分でない場合、または画像のサイズが使用可能な GPU メモリに収まらない場合は、このオプションを無効にします。このオプションを無効にすると、ツールは各画像を異なる方法で処理します。処理する画像のサイズを変更した場合、このオプションを有効にすると、一時的に処理速度が低下する場合があります。ツールのネットワークが現在の画像サイズに適応すると、処理速度は回復します。