ローリングシャッターの操作

In-Sight 8405 ビジョンシステムには、画像線センサの露光を制御するための電子的なローリングシャッターが搭載されています。ビジョンシステムで画像取り込みトリガを受信すると、画像最上部の最初のピクセル行から始めて、画像最下部の最後のピクセル行に至るまで、ピクセル行が順番に露光されます。各ピクセル行は同じ時間露光されますが、各行の露光開始時刻は異なり、隣接する各行はオーバラップして露光されます。すべての行が露光されると、全画像の取り込みが完了し、ピクセル行がリセットされます。次の画像取り込みが開始されると、指定した露光時間の間、ピクセル行が再び読み出されます。

In-Sight 8405 ビジョンシステムの場合、[Row Reset (行のリセット)] 時間と [Row Readout (行の読み出し)] 時間は 36.38µ 秒です。次の数式を使用して、[Total Reset (総リセット)]、[Total Image Readout (全画像読み出し)]、[Total Runtime (総ランタイム)] を算出します。

タイミング 数式
Total Reset (総リセット) Row Reset (行のリセット) x (行数 -1)
Total Image Readout (全画像読み出し) (Row Readout (行の読み出し) x 行数) + 360µ 秒
Total Runtime (総ランタイム) 露光時間 + Total Image Readout (全画像読み出し)
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  • 最適な画質を確保するには、画像取り込みの間、その部分が静止している必要があります。
  • 電子的なローリングシャッター動作のため、ライブビデオモードの場合には「ローリングライン」効果を見て確認できます。

出力の設定

ビジョンシステムの高速出力は、任意で、[画像取り込み開始] または [画像取り込み終了] の信号タイプとして設定できます。[画像取り込み開始] として設定されている場合は、最初のピクセル行が露光されるときに信号がパルス出力され、[画像取り込み終了] として設定されている場合には、[Total Image Readout (全画像読み出し)] の完了時にパルス出力されます。これらの信号のパルス幅は、[出力詳細] ダイアログで指定します。

ストロボを使用する場合は、システムの HS OUT 1 ラインを [ストロボ] 信号タイプとして設定可能です。[ストロボ] として設定されている場合、[出力詳細] の [ストロボ開始位置] は [すべての行を露光] に固定され、すべてのピクセル行が露光されると、[Strobe Width (ストロボ幅)] の期間、出力信号がパルス出力されます。

In-Sight 8405 ビジョンシステムの場合、[Row Reset (行のリセット)] 時間は 36.38µ 秒です。次の数式を使用して、[Time to Strobe Start (ストロボ開始までの時間)] と [Strobe Width (ストロボ幅)] を算出します。

タイミング 数式
Time to Strobe Start (ストロボ開始までの時間) (Row Reset (行のリセット) x 行数) + 946µ 秒
Strobe Width (ストロボ幅) 露光時間 - Time to Strobe Start (ストロボ開始までの時間)
:  In-Sight 8405 でストロボを使用する場合は、露光時間を [Time to Strobe Start (ストロボ開始までの時間)] より長くし、ストロボがパルス出力されるときにすべてのピクセル行が確実に露光されるようにする必要があります。