Filter
カラーまたはグレースケール出力画像を生成します。ここでは、各ピクセルが入力画像または ROI で画像強調技術の結果となっています。
Filter概要
多目的関数である Filter で、低コントラスト画像や画像内の特徴を強調するのに使用される、カラーまたはグレースケール出力画像を生成します。この関数は、検出したい特徴を強調したり、不要な特徴を最小にしたりするのに有効です。効果的に使用することによって、検査アプリケーションの信頼性と再現性を高めることができます。
Filter 関数では、さまざまな種類のローカルおよびグローバル画像強調技術を使用することができます。[フィルタタイプ] から、使用する画像強調技術を選択してください。
Filter 関数の使用方法
Filter 関数の設定には、画像の強調に使用する [フィルタタイプ] を選択することで、画像強調技術を指定することが含まれます。
最初に、画像をロードします。Filter 関数をスプレッドシートに挿入し、強調する画像領域を囲むように [領域] を調整します。[領域] の設定時には、強調する必要のある画像の領域のみを囲むようにします。強調の必要がない領域を囲むと、画像強調技術の適用方法および関数の実行時間の両方に影響します。
次に、適切な [フィルタタイプ] を選択します。選択した [フィルタタイプ] に応じて追加のパラメータが有効になり、この技術の適用方法をさらに定義できます。有効になったパラメータを調整して、適切な画像強調エフェクトを実現します。
- 強調を必要とする画像の領域が動きを有する場合、[フィクスチャ] を使用して [領域] がその領域に応じて移動することを確認してください。
- 開始前に、検査対象の画像のデータベースを収集します。画像は [記録/再生のオプション] ダイアログを使用してロードすることができます。
- 関数を設定したら、追加の画像をロードし、必要に応じてパラメータを調整して、画像の範囲全体に画像強調技術が正しく適用されていることを確認します。
Filterの入力パラメータ
Syntax:Filter(画像,フィクスチャ.行,フィクスチャ.列,フィクスチャ.角度,領域.X,領域.Y,領域.高さ,領域.幅,領域.角度,フィルタタイプ,カーネル行,カーネル列,自動しきい値,しきい値,最小,最大,ゲイン,スムーズネス,表示)
画像 | このパラメータは、スプレッドシートで画像データ構造体を含むセルを参照する必要があります。デフォルトでは、このパラメータは、AcquireImage 画像データ構造体を含むセル A0 を参照しています。また、このパラメータは、ビジョンツールのグラフィックス関数によって返された、そのほかの画像データ構造体も参照できます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
フィクスチャ |
フィクスチャ入力、またはビジョンツール関数の画像座標系の出力に関連する対象領域 (ROI) を定義します。フィクスチャに関連する ROI を設定すると、フィクスチャが回転または移動した場合に、フィクスチャに対応して ROI を確実に回転または移動できます。 デフォルト設定は画像の左上隅で、(0, 0, 0) になります。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
領域 |
これは対象領域 (ROI) とも呼ばれ、解析の対象となる画像の領域を表します。変換および回転可能な矩形の画像領域を作成します。このパラメータを選択して、プロパティシートのツールバーにある [領域の最大化] ボタンを押すと、画像全体が対象になるように領域が自動的に拡張されます。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
注 : [フィクスチャ] および [領域] パラメータは、画像の範囲内で定義されている必要があります。画像の範囲内で定義されていない場合、この関数は #ERR を返します。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
フィルタタイプ |
実行する画像強調技術のタイプを指定します。結果は、グレースケール出力画像で表示されます。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カーネル行 |
カーネル行数 (1 ~ 25、デフォルト = 3) を指定します。カーネルとは長方形の数配列のことで、画像の各ピクセル位置に対して近傍処理操作を行います。ピクセルの近傍グレースケール値は、出力画像上のピクセル位置のグレースケール値を定義します。 注 :
このパラメータは、フィルタタイプが次のずれかに設定されている場合に、ON になります。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カーネル列 |
カーネル列数を指定します (1 ~ 25、デフォルト = 3)。カーネルとは長方形の数配列のことで、画像の各ピクセル位置に対して近傍処理操作を行います。ピクセルの近傍グレースケール値は、出力画像上のピクセル位置のグレースケール値を定義します。 注 :
このパラメータは、フィルタタイプが次のずれかに設定されている場合に、ON になります。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
自動しきい値 |
[フィルタタイプ] を [2 値化]、[グレースケール距離] または [しきい値範囲] に設定した場合に、しきい値レベルを自動的に設定するかどうかを指定します。 注 : デフォルトでは、このパラメータは有効になっています。[しきい値] パラメータを使用する場合は、このパラメータを無効にします。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
しきい値 |
[フィルタタイプ] を [2 値化]、[グレースケール距離] または [しきい値範囲] に設定した場合に、しきい値レベルを設定します (0 ~ 255、デフォルト = 128)。 注 : デフォルトでは [自動しきい値] パラメータが有効になっています。[しきい値] パラメータを有効にするには、[自動しきい値] を無効にします。
デフォルトでは [自動しきい値] パラメータが有効になっています。[しきい値] パラメータを有効にするには、[自動しきい値] を無効にします。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最小 | [フィルタタイプ] を [クリップ]、[引き伸ばし] または [しきい値範囲] に設定した場合に、最小グレースケール値を指定します (0 ~ 255、デフォルト = 128)。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最大 | [フィルタタイプ] を [クリップ]、] または に設定した場合に、最大グレースケール値を指定します (0 ~ 255、デフォルト = 128)。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ゲイン | [フィルタタイプ] を [シャープ] に設定した場合に、ゲイン値を指定します (0 ~ 10、デフォルト = 1)。このパラメータは、エッジコントラストの強度を制御することによって、シャープネス強度を決定します。エッジ周囲のピクセルはその最小値または最大値により、エッジをよりシャープにします。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スムーズネス |
[フィルタタイプ] を に設定した場合に、ガウス (ガウシアン) カーネルのスムーズネス値を指定します (1 ~ 4、デフォルト = 1)。スムーズネスは、ガウス (ガウシアン) カーネルの標準偏差を制御します。高スムーズネス値は、スムーズ操作では広い「絞り」となり、特徴をシャープにするのに役立ちます。 注 : ガウス (ガウシアン) とは釣鐘型の曲線のことを指し、ROI 内のピクセルに加重平均を適用します。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
表示 |
画像の上に表示されるグラフィックスオーバーレイを指定します。
|
Filterの出力
戻り値 |
処理済みの画像を含んでいる画像データ構造体。入力パラメータが無効であれば #ERR を返します。 注 :
|