セル選択モード

相対および絶対セル参照を挿入する最も便利な方法は、セル選択モードを使用することです。セル選択モードでは、スプレッドシートでセルを直接クリックするとセル参照が作成されます。これにより、例えばセル G67 またはセル D25 にブロブカウントが含まれていたかどうかを覚えておく必要がなく、視覚的にセルを選択する手段が与えられます。

セル選択モードの呼び出し

[相対参照] ボタンまたは [絶対参照] ボタンをクリックすることにより、セル選択モードを次のいずれかから呼び出すことができます。

セル選択モードでは、ディスプレイが一時的に In-Sight スプレッドシート独自のビューに切り替わります。このディスプレイでは、画像がスプレッドシートの下に表示されず、参照対象のセルが、展開可能な赤枠の長方形で示されます。

セル参照の確立

  1. 参照するセルを選択します。マウスまたはキーボードで 1 つまたは複数のセルを選択することができます。マウスで複数のセルを選択するには、参照する任意のセルをクリックしてドラッグします。キーボードを使用する場合、SHIFT キーを押しながら、矢印キーを押してセルのグループを選択します。
  2. 参照を確定します。目的のセルをダブルクリックする (単一のセル参照の場合) か、または ENTER キーを押す (単一のセルまたは複数のセルのいずれを参照する場合) ことにより、参照を確定することができます。参照が確定されると、ディスプレイは、セル選択モードが起動されたプロパティシート、ダイアログ、またはスプレッドシートのセルに切り替わります。

セル選択モードの例

次の 2 つの例では、サンプル画像 IMAGE2B.BMP を使用して単一セルと複数セルのアプリケーションの両方の選択モードについて説明します。

単一セル参照の例

画像上でブロブ解析を実行すると仮定します。セル A2 にある ExtractBlobs 関数は、(GetNFound 関数を使用して) セル B2 に出力を生成します。この出力は、画像内にあるブロブの数を表します。目標は、セル A6 内に GetNFound の結果の「リンクされたコピー」を表示することです。この新しい値は、セル B2 のブロブの元の数が変更されると更新されます。セル A6 内でセル B2 への絶対セル参照を作成することにより、この 2 つのセルは同期されます。

次のスプレッドシートを考えてみます。

セル A6 に検出されたブロブの数 (4.000) の同期されたコピーを作成するには:

  1. セル A6 をハイライトします。
  2. [ジョブの編集] ツールバーで、[絶対参照] ボタンをクリックします。これにより、セル選択モードが呼び出されます。
  3. セル B2 をダブルクリックします。

    :  前の図では、セル A2 の ExtractBlobs 関数の [表示] パラメータは、入力および結果グラフィックスの両方を表示するように設定されていました (図解のため)。

セル A6 に配置された数式は、セル A2 への絶対参照です ($A$2)。セル B2 の値が変更されるたびに、A6 は適宜更新されます。

複数セル参照の例

複数セル参照は、プロパティシートで複数の値を持つパラメータ (フィクスチャや領域など) を定義する際に有効です。

次のスプレッドシートを考えてみます。

実行時の操作中に (赤色で示された) 対話型グラフィックス領域を制御できるようにする必要があると仮定します。次のように、領域の各プロパティ (X、Y、高さ、幅、角度、カーブ) に対して [EditFloat] オペレータ I/F を定義することができます。

A10 = 'X

B10 = 'Y

C10 = '幅

D10 = '高さ

E10 = '角度

F10 = 'カーブ

A11 = EditFloat(0,480)

B11 = EditFloat(0,640)

C11 = EditFloat($B$7,$B$8)

D11 = EditFloat($B$7,$B$8)

E11 = EditFloat(0,360)

F11 = EditFloat(0,400)

EditFloat 関数の制限 (MinValue および MaxValue) は任意で選択できますが、領域への範囲外の入力値からエラーが発生しないように合理的に選択する必要があります。セル B7 には 10.000 が含まれますが、これは、絶対参照 $B$7 を [EditFloat] オペレータ I/F の最初の引数としておよび高さの値の下限を定義しています。同様に、セル B8 はこれらの オペレータ I/F で 500.000 の上限を設定します。

セル A2 をハイライトします。([ジョブの編集] ツールバーで) 関数 ボタンをクリックすると、ExtractBlobs 関数のプロパティシートが開きます。

[Region] パラメータを選択します。次に、([ジョブの編集] ツールバーで) [絶対参照] ボタンをクリックして、セル選択モードを呼び出します。マウスまたはキーボード (SHIFT+ 矢印キー) のいずれかを使用して、図のようにセル A11 から F11 までをハイライトします。

ENTER キーを押して範囲を確定します。[OK] をクリックしてプロパティシートを閉じます。対話型グラフィックス領域を、スプレッドシート上の [編集] オペレータ I/F を使用して調整できるようになります。