学習機能ツールのパラメータ

学習処理を制御する学習機能ツールのパラメータ。

パラメータ 説明

学習セット

学習セット ダイアログを表示します。このダイアログは、新しい学習が行われるたびにニューラルネットワーク用の学習サンプルとしてランダムで選択するサンプルセットおよびラベル付けされた画像のパーセンテージを指定するために使用します。

エポック数

学習中に行われる最適化の反復数を指定します。アプリケーションがあまり複雑でないか、異なるパラメータ設定をテストする際に品質の低いモデルが役に立つような場合は、この設定を低くすることができます。

エポックとは、学習セット全体をニューラルネットワークに渡すための用語です。

読み取り (青) ツールには異なる文字セットに対してよく学習されたネットワークがすでに含まれているため、かなり小さい設定 (10) になっています。ただし他のツールに対しては、初期化されていないネットワークからの開始となるため、通常は約 50 倍の学習画像セットデータが必要になります (微調整領域内)。これはデフォルトの設定であり、ほとんどの標準アプリケーションでは通常はこれで十分です。

より少ないエポックを使用することを選択すると、ニューラルネットワークの学習が不十分だったり、問題を正確に解決できなくなる場合があります。一方、エポックが多すぎると、結果のオーバーフィッティング (過剰学習) が生じる場合があります (学習された画像のみが取り込まれ、学習された画像の外部にあるものは無効と見なされます)。ネットワークは、それが学習画像セットの汎化されたものとなる時点まで学習させることが重要です。エポックを増加しすぎると、学習画像セットデータの過剰学習とオーバーフィッティングが生じる恐れがあります。

ヒント :  
  • 学習画像セットに多数の画像が含まれているか、学習画像セット内の画像のサイズが特徴のサイズと比較して大きい場合には、[エポック数] 設定を増加する必要が生じる場合があります。
  • 学習画像セットが非常に小さい場合は、オーバーフィッティングが生じる恐れがあります。大きい学習画像セットがあり、ネットワークがセット内のすべてのサンプルに対応している場合は、小さい学習セットがあり、ネットワークにその小さなサンプルセットが入力される場合よりもはるかに汎用的になります。

能力

さまざまな視覚的複雑さを説明するためのモデルの能力を指定します。非常に単純なパターンの場合は、オーバーフィットを防ぐためにより低い能力の設定を使用する必要があります。複雑な画像やオブジェクトの場合は、アンダーフィットを防ぐために高い能力の設定を使用する必要があります。

:  [能力] パラメータは、解析 (赤) ツールアンスーパーバイズドモードでのみ使用できます。

学習パス

画像間/画像の異なる領域内で極めて不均等に分散された複雑さを示している、統計的に困難な問題により良く対処するために実行する反復学習の数を指定します。このパラメータは、ビューが複雑である場合にツールを導く上で役立ちます。これは、構造が異なる複数の領域がビューに含まれている場合に役立ちます。アルゴリズムは、複雑でない領域 (詳細が含まれていない白い背景など) を無視し、複雑な領域 (線や他の細かい領域など) に焦点を当てるようになります。

:  [学習パス] パラメータは、解析 (赤) ツールアンスーパーバイズドモードでのみ使用できます。

複雑な領域 =

単純な領域 =

[学習パス] が高く設定されている場合、ツールでは画像内の複雑な領域に焦点を当てます。学習時間は長くなりますが、処理時間は変わりません。

低精度

ツールが学習後に低精度モデルを作成するかどうかを指定します。低精度モデルは、ランタイム操作中に速度の最適化が優先されるアプリケーションに役立ちます。2 つの操作モード間では結果が異なる可能性があります。

有効にした場合は、白い稲妻アイコンがツールのアイコンに追加されます。

:  
  • [低精度] パラメータは、解析 (赤) ツール分類 (緑) ツールでのみ使用できます。
  • チェックボックスをオンにする前にツールが学習されている場合は、ツールを再学習するように求められます。低精度モデルを有効にした後にチェックボックスをオフにした場合も、ツールを再学習する必要があります。
  • 低精度モデルには、標準またはアドバンスライセンスに加えて、CUDA Compute Capability 6.1 以降が搭載された GPU も必要です (詳細については、NVIDIA の Web サイトを参照してください)。