損失のインスペクタ

[損失のインスペクタ] は、High Detail モード (分類 (緑) High Detail モードと解析 (赤) High Detail モード) での検証損失の変化をモニタするツールです。VisionPro Deep Learning 1.1 から、学習中または学習済みの High Detail モードのツールの検証損失の変化を検査できます。

[損失のインスペクタ] を使用すると、High Detail モードのツールの学習をより細かく制御できます。検証損失をモニタすることにより、損失の変動と飽和をモニタして、最適なモデルの最適損失を求めることができます。また、この損失は検証セットから得られたものであるため、モデルがどの程度適切に一般化され、どの程度オーバーフィットしているかを確認できます。

CAUTION:  [損失のインスペクタ] では、以前のバージョンの VisionPro Deep Learning 1.1 で学習させた High Detail ツールの検証損失のグラフは生成できません。たとえば、VisionPro Deep Learning 1.0 で学習させた分類 (緑) High Detail モードのツールをインポートした場合、[損失のインスペクタ] ではその損失のグラフを生成することはできません。ただし、1.1 または 2.0 でこのツールを再学習させると、[損失のインスペクタ] でこの新しい学習セッションからの損失を表示できます。
Note: 解析 (赤) High Detail の検証損失の詳細については、「検証セットと検証損失」を参照してください。
Note: 分類 (緑) High Detail の検証損失の詳細については、「検証セットと検証損失」を参照してください。

 

[損失のインスペクタ] の使用方法

[損失のインスペクタ] を有効にするには、まず、画像データを読み込み、ROI を設定し、High Detail モードのツールを作成し、学習させます。

  1. High Detail モードのツールの学習中または学習後に、[ツール][損失の検査] に移動します。

    1. 学習中に、各ツールのグラフアイコン をクリックすると、検証損失をリアルタイムでモニタできます。

  2. [損失のインスペクタ] ウィンドウが表示され、エポックとともに検証損失の変化を確認できます。

  3. 学習が完了する前に中断すると、現在のモデルを保存するかどうかを尋ねるポップアップが表示されます。現在のモデルのそれまでの学習内容の検証損失を確認するには、モデル情報を保存する必要があります。

    1. [X] アイコンをクリックして学習を中断し、ツール情報を保存するかどうかを尋ねるダイアログで [はい] ボタンをクリックすると、このツールの現在の学習セッションについて学習を中断するまでの損失のグラフを後で確認できます。

    2. 「X」アイコンをクリックして学習を中断し、ツール情報を保存するかどうかを尋ねるダイアログで「いいえ」ボタンをクリックすると、このツールの現在の学習セッションの損失の記録がすべて消され、損失のグラフを確認できません。[損失のインスペクタ] は、このツールの最後に完了した学習セッションの損失グラフのみを生成します。

  4. 学習が完了すると、この学習セッションの最適エポックと最適損失を示す赤い点がグラフにマークされます。

 

ステータス変数

変数 説明
経過時間 現在の学習の経過時間。

経過エポック

現在の学習の経過エポック。

損失

経過エポックでの学習済みのモデルの検証損失。損失は 0.125 エポックごとに計算されます。

最適エポック すべての経過エポックを通じて最も低い損失値を記録したエポック。
最適損失 すべての経過エポックを通じて最も低い損失値。

 

 

損失がまったく変化していない状態で最適エポックを更新することができます。エポックが経過しても損失が減少しない場合、損失のインスペクタは、損失が同じエポックを内部指標で選択し、その選択されたエポックが最適エポックになります。以下の表は、損失のインスペクタを使用したときに実際に遭遇する可能性のあるステータスの例です。

 

経過エポック 損失 最適エポック
3 0.2 3
4 0.2 3
51 0.2 5
6 0.2 5
7 0.2 7

 

ズーム/パン

[ズーム/パン] チェックボックスをオンにすると、拡大/縮小、特定の矩形領域の拡大、損失グラフ領域のパンを行うことができます。