Modbus TCP 通信で使用するための In-Sight ビジョンシステムの設定

このトピックでは、ファームウェアバージョン 5.3.0 以降が実行されている In-Sight ビジョンシステムを Modbus TCP 通信を使用して PLC に接続する方法を説明します。

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  • このトピックでは、ファームウェアバージョン 5.3.0 以降が実行されている In-Sight ビジョンシステム/センサでの Modbus TCP による通信について説明します。モデル一覧およびサポートされているファームウェアバージョンについては、ファームウェアのバージョンをご参照ください。
  • さまざまな In-Sight ファームウェアバージョンで使用可能な Modbus TCP 実装については、「Modbus TCP による通信」を参照してください。
  • Modbus TCP ファクトリインタフェース (5.3.0 以降)」では、In-Sight ビジョンシステムの入力および出力のプロセスメモリへのマップについて詳細に説明されています。

Modbus TCP による通信の確立

In-Sight ビジョンシステムとの Modbus TCP による通信を確立できるようにするには、In-Sight ビジョンシステムの [ネットワークの設定] ダイアログを使用して、Modbus TCP サーバを有効にするように設定する必要があります。有効になったら、[Modbus TCP サーバの設定] ダイアログを使用して PLC への接続を設定します。

  1. In-Sight Explorer を開き、該当する In-Sight ビジョンシステムに接続します。
  2. [センサ] メニューから [ネットワークの設定] ダイアログを開きます。
  3. ダイアログの [産業用イーサネットプロトコル] セクションで [Modbus TCP サーバ] を選択し、[設定] ボタンを押して [Modbus TCP サーバの設定] ダイアログを起動します。
  4. [最大接続数] および [アイドルタイムアウト] コントロールを設定します。
  5. In-Sight ビジョンシステムを再起動します。Modbus TCP サーバサービスは電源の再投入時に有効になります。

画像取り込みトリガを受信するための In-Sight ビジョンシステムの設定

ビジョンシステムをトリガして PLC から画像を取り込むことが可能です。AcquireImage 関数の [トリガ] パラメータを [産業用イーサネット] に設定すると、PLC では、Modbus TCP サーバ通信が有効になっている場合にビジョンシステムをトリガすることができます。

  1. AcquireImage 関数のプロパティシートを開きます。
  2. [トリガ] パラメータを [産業用イーサネット] に設定します。
  3. In-Sight ビジョンシステムをオンラインにします。
  4. In-Sight ビジョンシステムは、ビジョンコントロールブロックの Trigger Enable および Trigger ビットを直接操作するか、ビジョンステータスブロックの Trigger Ready、Trigger Ack、および Missed Acq ビットを監視することによってトリガすることが可能です。

    :  Modbus TCP ファクトリインタフェース (5.3.0 以降)」のトピックでは、In-Sight ビジョンシステムの入力および出力のプロセスメモリへのマップについて詳細に説明されています。

In-Sight ビジョンシステムからのデータの取得

In-Sight Explorer のスプレッドシートから PLC にデータを取得するためには、WriteResultsBuffer 関数を使用してデータを Modbus TCP スタックにプッシュする必要があります。この関数は、FormatOutputBuffer 関数によって作成されたデータのバッファを取り込み、そのデータを Modbus TCP スタックに書き込みます。その後 PLC では、Modbus TCP の読み取りコマンドでデータを読み取ることができます。

  1. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで FormatOutputBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  2. [FormatOutputBuffer] ダイアログの [追加] ボタンをクリックします。[出力データの選択] ダイアログで、出力するデータ項目を選択します。
  3. 送信する追加データがある場合は、FormatOutputBuffer ダイアログで、[追加] ボタンをクリックします。転送する追加のデータを選択します。
  4. [OK] ボタンをクリックして、[FormatOutputBuffer] ダイアログを閉じます。
  5. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで WriteResultsBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  6. WriteResultsBuffer 関数の [プロトコル] パラメータを [3 = Modbus TCP サーバ] に設定し、[バッファ] パラメータを、作成した FormatOutputBuffer 関数の データ構造体へのセル参照として設定します。
  7. オプションで、[Result Code] パラメータを、検査結果の結果コードを取得するためのスプレッドシート内のセルへのセル参照としてセットします。

In-Sight ビジョンシステムへのデータの送信

PLC から In-Sight Explorer のスプレッドシートにデータを送信するためには、ReadUserDataBuffer 関数を使用してデータを Modbus TCP スタックからプルする必要があります。この関数は、FormatInputBuffer 関数内で作成されたデータフォーマットを取り、PLC から受信したデータを読み取り、そのデータを書式設定して In-Sight Explorer のスプレッドシートに取り込みます。

:  In-Sight ビジョンシステムをトリガして PLC からユーザデータを読み取るためには、ビジョンコントロールブロックの Set User Data ビットを PLC からトリガする必要があります。
  1. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで FormatInputBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  2. [FormatInputBuffer] ダイアログで、[追加] ボタンをクリックし、適切なデータ項目をリストに追加します。
  3. [OK] ボタンをクリックして、[FormatInputBuffer] ダイアログを閉じます。
  4. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで ReadUserDataBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  5. ReadUserDataBuffer 関数の [バッファ] パラメータを、作成したばかりの FormatInputBuffer 関数のデータ構造体へのセル参照として設定します。
  6. ReadUserDataBuffer 関数の [プロトコル] パラメータを [3 = Modbus TCP サーバ] に設定します。

  7. 関数が実装されたら、In-Sight ビジョンシステムをオンラインにして設定をテストします。