FTP
ファイル転送プロトコル (FTP)
In-Sight センサには統合型 FTP クライアント/サーバがあるので、FTP プロトコルを使って他のセンサとファイルをネットワーク上で共有することができます。[保存] と [開く] のダイアログは FTP クライアントとして機能し、ネットワーク上の FTP サーバとの接続を確立して、ジョブ、画像、ファームウェア更新ファイルを転送できます。
In-Sight センサへの FTP 接続は、ネットワーク上の非 In-Sight ホストから開始することもできます (その場合、In-Sight センサは FTP サーバとして機能します)。これは、In-Sight センサの proc.set ファイル (.SET) を保存する唯一の方法です。この設定ファイルを他の In-Sight センサにロードすることで、設定の複製を行うことができます。
In-Sight センサへのログオンプロセスと FTP コマンドの実行の両方を自動化するカスタムアプリケーションを、リモートホストでの実行に対応するように作成できます。
- PC で実行できるのは、1 つの FTP サーバだけです。In-Sight センサとの適切な FTP 通信を実現するには、ローカル PC で実行されている可能性のあるサードパーティの FTP サーバをすべて閉じます。
- In-Sight センサがオンラインのときに、ファイルを保存またはロードしようとすると、In-Sight センサの性能が低下することがあります。
- In-Sight 5600 センサでの FTP を使ったファイル転送は、他のセンサの場合よりも動作が遅くなることがあります。
In-Sight センサは標準 FTP コマンドをサポートします。次の表に、よく使用されるコマンドを示します。
FTP コマンド | 説明 |
open [Address] | リモートホストと In-Sight センサ間の FTP 接続を確立します。 |
help | 使用可能な FTP コマンドの一覧を表示します。 |
help [Command] | 個々の FTP コマンドに関する情報を表示します。 |
dir | 現在、In-Sight センサに保存されているファイルの一覧を表示します。 |
prompt | 複数のコマンドが使用されると、Y/N のプロンプトを切り替えます。prompt のデフォルト設定はオンです。 |
get [File Name] | In-Sight システムからファイルをダウンロードして、リモートホストにある FTP クライアントのデフォルトのディレクトリに保存します。1 |
mget [File Names] | In-Sight センサから複数のファイルをダウンロードして、リモートホストにある FTP クライアントのデフォルトのディレクトリに保存します。1、2 |
put [File Name] | リモートホストにある FTP クライアントのデフォルトのディレクトリから In-Sight センサにファイルをアップロードします。1 |
mput [File Names] | リモートホストにある FTP クライアントのデフォルトのディレクトリから In-Sight システムに複数のファイルをアップロードします。1、2 |
del | In-Sight センサから指定のファイルを削除します。 |
mdel | In-Sight センサから複数のファイルを削除します。3 |
disconnect |
リモートホストと In-Sight センサ間の FTP 接続を切断し、FTP コマンドプロンプトに画面を戻します。 注 : In-Sight センサは、一度に最大 2 つの FTP 接続に対応できます。
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quit | リモートホストと In-Sight センサ間の FTP 接続を切断し、DOS コマンドプロンプトに画面を戻します。 |
1 FTP は、プロンプトや警告を表示せずに、転送されているファイルの既存のコピーを置き換えます。 2 複数のファイルを指定する場合は、「*」のワイルドカード文字 (つまり、*.job) を使います。転送するファイルごとに Y または N で答えるようにメッセージが表示されます。 3 複数のファイルを指定する場合は、「*」のワイルドカード文字 (つまり、*.job) を使います。削除するファイルごとに Y または N で答えるようにメッセージが表示されます。 |
例 1: In-Sight センサとリモートホスト間の FTP 接続の確立
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In-Sight センサの IP アドレスを特定します。
- リモートホストで、FTP アプリケーションを起動します。Microsoft Windows の場合、DOS コマンドプロンプトウィンドウを開いて、「FTP」と入力します。
- FTP コマンドプロンプトで、「open Address」と入力します。Address はステップ 1 で取得した IP アドレスです。接続に成功すると、「220 In-Sight (R) 5100 Release 3.40.00 (2240) ready (is5100_010203)」のようなメッセージが表示されます。
- ユーザプロンプトで、In-Sight センサのユーザリストにあるユーザ名を入力します。ユーザ名が許可されると、「331 User Name OK, need password」というメッセージが表示されます。
- パスワードプロンプトで、ユーザ名に対応するパスワードを入力します。パスワードが許可されると、「230 User UserName logged in」というメッセージが表示されます。
例 2: FTP を使った In-Sight センサ設定の保存とロード:
In-Sight センサ設定は、proc.set ファイルに保存されます。このファイルには、シリアルポート、ディスクリート入力/出力、ユーザリスト、スタートアップパラメータ (ユーザおよびジョブ)、日付/時刻の設定の設定の詳細が含まれています。
In-Sight センサから FTP クライアントに設定ファイルを保存するには、次の手順を実行します。
- 例 1 の手順のとおりに、In-Sight センサへの FTP 接続を確立します。
- ログオンしたら、次のコマンドを実行します。
get proc.set
ファイルが適切に転送されたかどうかを確認するには、FTP クライアントにあるデフォルトのローカルディレクトリ内の proc.set を調べます。
FTP クライアントから In-Sight センサに設定ファイルをロードするには、次の手順を実行します。
- 例 1 の手順のとおりに、In-Sight センサへの FTP 接続を確立します。
- ログオンしたら、次のコマンドを実行します。
put proc.set
このコマンドを実行すると、プロンプトや警告が表示されることなく、ターゲット In-Sight センサの現在の設定ファイルが上書きされるので注意してください。ファイルが適切にロードされると、ターゲット In-Sight センサが再起動されます。ターゲット In-Sight センサに適用されないファイルの設定はすべて、ターゲットシステム上で破棄されます。