BeadInspect

BeadInspect 関数を使用して、ビードの位置的な欠陥、幅の欠陥、またはカバレージ欠陥を特定します。BeadInspect ツールには、ビード解析基準および測定ルールを制御するパラメータがあります。これらのルールの初期値は、BeadFind 関数によって返された有効なビードデータ構造体から設定されます。このツールは、現在取り込まれている画像で検出されたビード特徴を、ビード解析基準と比較します。

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  • BeadFind および BeadInspect 関数は、In-Sight ファームウェア 5.5.0 以降を搭載している In-Sight ビジョンシステムでのみ使用可能です。モデル一覧およびサポートされているファームウェアバージョンについては、ファームウェアのバージョンをご参照ください。 モデル一覧およびサポートされているファームウェアバージョンについては、ファームウェアバージョンをご参照ください。
  • BeadFind 関数と BeadInspect 関数はカラー画像をサポートしていません。カラー画像がロードされると、自動的にグレースケール画像に変換されます。
  • BeadFind 関数と BeadInspect 関数の使用方法の詳細については、「BeadFind 関数と BeadInspect 関数の使用」を参照してください。

BeadInspectの入力パラメータ

[全般] タブ

Syntax:BeadInspect(画像,ビード検出,検出エリアの編集,ビードエッジ位置の許容値 (%),コントラストしきい値,欠陥制限,グラフィックス表示

画像

 

画像データ構造体を含んだスプレッドシートセルを参照するように指定します。デフォルトでは、このパラメータは、AcquireImage 画像データ構造体を含むセル A0 を参照しています。また、このパラメータは、ビジョンツールのグラフィックス関数や、座標補正関数により返された、そのほかの画像データ構造体も参照できます。

ビード検出

BeadFind 関数によって出力された有効なビードデータ構造体を含んでいるスプレッドシートセルへの参照を指定します。

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  • BeadFind 関数を登録する必要があります。登録しないと、BeadInspect 関数は #ERR を返します。
  • BeadFind 関数を再登録すると、リンクされている BeadInspect 関数のパラメータ、マスクされたエリア、エッジ塗りつぶしエリア、および 検出エリアの編集で以前に設定された編集がリセットされます。
検出エリアの編集 このボタンをクリックして対話型グラフィックスモードに入り、検査からマスクできるか、エッジ塗りつぶしが可能なエリアを編集します。
ビードエッジ位置の許容値 (%)

登録されたエッジ位置からエッジが外れることができる最大量 (1 ~ 200、デフォルト = 50) を、その位置のビードの平均幅のパーセンテージで指定します。許容範囲外にあるビードエッジは検出されません。

コントラストしきい値

有効な最小エッジコントラストの値を指定します (1 ~ 255、デフォルト = 10)。このしきい値より低いコントラストのビードエッジは、欠陥として識別されます。

欠陥制限

欠陥の定義方法、および特定タイプの欠陥を検出する必要があるかどうかを指定します。

:  BeadFind ツールが初めて参照されると、その下に表示されているパラメータのデフォルト値が自動的にリセットされ、現在のビードで欠陥が検出されなかった検査が合格となります。
ビード幅:最小

最小幅の欠陥検出が有効であるかどうかを示します。このパラメータを使用して、幅が狭すぎるセクションについてビードを検査します。

ビード幅:最小 (%) ビードが登録されたときのビードの対応セクションと比較した、有効な最小ビード幅 (1 ~ 99、デフォルト = 50) をパーセンテージで指定します。この制限を下回るビードエッジが検出されると、欠陥として識別されます。例えば、最小ビード幅を 50% に設定した場合、登録ビードの半分の幅のビードの各セクションが許容されます。
ビード幅:最大 最大幅の欠陥検出が有効であるかどうかを示します。このパラメータを使用して、幅が広すぎるセクションについてビードを検査します。
ビード幅:最大 (%) 登録時のビードの対応セクションと比較した、有効な最大ビード幅 (101 ~ 999、デフォルト = 150) をパーセンテージで指定します。この制限を上回るビードエッジが検出されると、欠陥として識別されます。例えば、最大ビード幅を 50% に設定した場合、登録ビードの 2 倍の幅のビード各セクションが許容されます。
ビードのカバレージ:最小 最小カバレージの欠陥検出が有効であるかどうかを示します。このパラメータを使用して、登録時のビードの対応セクションと比較し、白いピクセル (黒背景上の白ビードの場合) または黒いピクセル (白背景上の黒ビードの場合) が少なすぎるセクションについて、ビードを検査します。
ビードのカバレージ:最小 (%) 登録時のビードの対応セクションと比較した、ビードの各セクションで許容される最小ビードカバレージを指定します (1 ~ 99、デフォルト = 50)。登録ビードより、はるかに白い (黒背景上の白ビード) か、はるかに黒い (白背景上の黒ビード) ビードを許可するには、低い値を使用します。
ビードのカバレージ:最大 最大カバレージの欠陥検出が有効であるかどうかを示します。このパラメータを使用して、登録時のビードの対応セクションと比較し、白いピクセル (黒背景上の白ビードの場合) または黒いピクセル (白背景上の黒ビードの場合) が多すぎるセクションについて、ビードを検査します。
ビードのカバレージ:最大 (%) 登録時のビードの対応セクションと比較した、ビードの各セクションで許容される最大カバレージを指定します (101 ~ 999、デフォルト = 150)。登録ビードより、はるかに黒い (白背景上の黒ビード) か、はるかに白い (黒背景上の白ビード) ビードを許可するには、高い値を使用します。
ビードのエッジステップ:最大 ステップの最大変化の欠陥検出が有効であるかどうかを示します。このパラメータを使用して、ビードエッジに沿った突起またはノッチを検出します。
ビードのエッジステップ:最大 (%) 隣接エッジと比較した、ビードエッジの最大オフセット位置 (1 ~ 100、デフォルト = 30) を指定します。粗いまたは不均一なエッジを含むビードでは、許容値を上げるために高い値を使用します。エッジがより滑らかなビードには低い値を使用します。
欠陥の長さ:最小 (キャリパ) 検査結果で報告される最小欠陥サイズ (1 ~ 10 隣接キャリパ、デフォルト = 3) を指定します。値が 1 の場合、 すべての欠陥を含みます。値が 10 の場合、10 以上の隣接キャリパから構成される欠陥のみを報告します。
グラフィックス表示

画像上に描画される BeadInspect グラフィックスオーバーレイを指定します。

ビードパス 欠陥の検出に使用される登録ビードパス (緑) を表示します。参照されている BeadFind 関数からのパスです。
ビードのエッジ

ビードパスで検出されたエッジを黄色で表示します。

位置の許容境界

ビードエッジ検出用の境界 (シアンの点線) を表示します。境界外にあるエッジは検出されず、欠陥となります。この位置の許容値が 50 未満の場合、ビードパスのいずれかの側に 2 本の点線があります。この位置の許容値が 50 以上の場合は、ビードパスのいずれかの側に単一の点線があります。

マスクおよびエッジ塗りつぶしエリア

ビードパスに沿ってマスクおよびエッジ塗りつぶしエリアを表示します。マスク領域は黒で描画されます。エッジ塗りつぶし領域はシアンで描画されます。

エッジ塗りつぶしを使用すると、ビードの片側がエリア内で検出されなくなります。その後の検査ではマスクエリアは無視され、マスクエリア内の欠陥は報告されません。

ビードの幅欠陥 ビードの幅欠陥の境界領域を (赤で) 表示します。
ビードのカバレージ欠陥 ビードのカバレージ欠陥の境界領域を (赤で) 表示します。
ビードのエッジステップ欠陥 ビードのエッジステップ欠陥の境界領域を (赤で) 表示します。
欠落エッジ欠陥 欠落エッジ欠陥の境界領域を (赤で) 表示します。

[欠陥] タブ

[欠陥] タブは、ビード検出の総合結果を表示し、[統計] と [欠陥リスト] の 2 つのセクションに分かれています。

統計関数

[統計] には次のデータが含まれており、各画像がロードされるか BeadInsepct 関数に変更が行われると、自動的に更新されます。

  • [欠陥の数]: ビードで検出された欠陥の合計数を表示します。
  • [キャリパ数]: ビードパス内のキャリパの合計数を表示します。
  • [コントラスト (第 1 エッジ)]: ビードの第 1 エッジに沿った最小、最大、および平均のコントラスト値を表示します。
  • [コントラスト (第 2 エッジ)]: ビードの第 2 エッジに沿った最小、最大、および平均のコントラスト値を表示します。
  • [ビード幅]: 最小、最大、および平均の幅を、ビードのパーセンテージで表示します。
  • [ビードのカバレージ]: ビードのカバレージをビードのパーセンテージで表示します。
  • [ビード位置のシフト (第 1 エッジ)]: 第 1 エッジの最小、最大、および平均の偏差を、ビードのパーセンテージで表示します。
  • [ビード位置のシフト (第 2 エッジ)]: 第 2 エッジの最小、最大、および平均の偏差を、ビード幅のパーセンテージで表示します。
  • [最大ビードエッジステップ (第 1 エッジ)]: ステップの最大変化を、ビードの第 1 エッジに沿ったビード幅のパーセンテージで表示します。
  • [最大ビードエッジステップ (第 2 エッジ)]: ステップの最大変化を、ビードの第 2 エッジに沿ったビード幅のパーセンテージで表示します。

[欠陥リスト]:

ツールバー

次のツールバーのボタンで、欠陥の結果テーブルの表示をカスタマイズすることができます。

: すべて開く。

: すべてたたむ。

: 欠陥タイプごとにグループ化。

: 欠陥インデックスごとにグループ化。デフォルトでは、欠陥リストテーブルは欠陥インデックスごとにグループ化されています。

: グループ化なし。

: 選択した欠陥にズームする。デフォルトでは、このオプションは選択されています。自動的に画像内の欠陥の位置まで画像がパンおよびズームされます。

欠陥結果テーブル

各欠陥について、欠陥テーブルに次の項目が表示されます。

 

インデックス 欠陥のインデックス番号を表示します。
分類

欠陥タイプを表示します。

パラメータ 欠陥に関連付けられている BeadInspect パラメータを表示します。
実際の値 BeadInspect 関数によって報告される実際の値を表示します。
予期 BeadInspect 関数によって指定される、許可値の範囲を表示します。
修正 (ボタン)

次のチューニングオプションを提示して、欠陥結果テーブルから疑似欠陥を削除します。

更新 {パラメータ}

さまざまな欠陥タイプに関連付けられた、対応するパラメータを更新します。このオプションを選択すると、欠陥制限の関連する最小および最大パラメータが実際の値で更新され、欠陥結果テーブルから欠陥が削除されます。

エッジ塗りつぶしを実行

欠落エッジを含んでいる欠陥内のエッジを塗りつぶします。エッジ塗りつぶしを使用すると、ビードの片側がエリア内で検出されなくなります。

:  [第 1 エッジがありません] および [第 2 エッジがありません] の欠陥タイプの場合にのみ機能します。このオプションは、両方のエッジがない場合には使用できません。
マスク/無視 欠陥エリアを検査からマスクします。その後の検査ではマスクエリアは無視されます。マスクエリアに欠陥はないものとして報告されます。

BeadInspectの出力

戻り値 画像内で検出されたビードに関する情報を含んでいるビードデータ構造体。入力パラメータのいずれかが無効であれば #ERR を返します。
結果

BeadInspect 関数を初めてセルに挿入すると、スプレッドシート内に結果テーブルが自動的に作成されます。