[SLMP スキャナ設定] ダイアログ

[SLMP スキャナ設定] ダイアログでは、三菱電機社オートメーションコントローラ (PLC、モーションコントローラ またはロボットコントローラ) と通信する In-Sight ビジョンシステムを設定します。

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  • このトピックでは、PLC/MC およびロボットコントローラを総称して、「オートメーションコントローラ」と呼びます。
  • In-Sight 2000 シリーズビジョンセンサは、ロボットコントローラをサポートしていません。

[SLMP スキャナ設定] ダイアログを表示するには

[ネットワークの設定] ダイアログの設定により、使用可能な [コントローラタイプ] は異なります。

PLC コントローラ (iQ-R/Q/L シリーズ、iQ-F シリーズ、FX シリーズ)

iQ-R/Q/L シリーズ、iQ-F シリーズまたは FX シリーズを使用する場合、[ネットワークの設定] ダイアログで [産業イーサネットプロトコル] ドロップダウンから [SLMP スキャナ] オプションを選択して、[設定] ボタンを押します。

ロボットコントローラ

CR800-D シリーズロボットコントローラを使用する場合、[ネットワークの設定] ダイアログで [ロボット] ドロップダウンから [三菱電機] を選択して、[設定] ボタンを押します。

[SLMP スキャナ設定] ダイアログの [設定] および [デバイスのアドレス指定] タブの設定項目

[設定] タブ

[設定] タブは、In-Sight ビジョンシステムと三菱電機社オートメーションコントローラ (PLC、モーションコントローラ またはロボットコントローラ) の間の接続を確立するのに必要な接続情報を設定するために使用されます。

:  三菱電機 ネットワーク設定の詳細については、『MELSEC Communication Protocol Reference Manual』を参照してください。
  • [コントローラタイプ]: 三菱オートメーションコントローラのタイプを指定します。

    :  [ネットワークの設定] ダイアログの設定により、使用可能な [コントローラタイプ] は異なります
    • PLC/MC: 選択肢は、iQ-R/Q/L シリーズ (3E フレーム)、iQ-F シリーズ (3E フレーム) または FX シリーズ (1E フレーム) です。デフォルトでは、iQ-R/Q/L シリーズ (3E フレーム) が選択されます。
    • ロボット: CR800-D シリーズ (3E フレーム)。
  • [IP アドレス]: In-Sight ビジョンシステムの接続先の PLC の IP アドレスを指定します。
  • [ポート番号]: オートメーションコントローラが使用する SLMP チャネルの TCP ポート番号を 10 進数 (Dec: 1 ~ 65535) 形式または 16 進数 (HEX: 1 ~ FFFF) 形式で指定します (デフォルト = 12288 ([Dec]))。

    :  
    • この値は、三菱電機オートメーションコントローラの [SLMP Port] で指定した [Host Port] の設定に一致している必要があります。
    • [ポート番号] の形式は、In-Sight Explorer を閉じたときに 10 進値 ([10 進数]) にリセットされます。
  • [タイムアウト (ms)]: オートメーションコントローラから SLMP メッセージへの応答用のタイムアウトをミリ秒単位で指定します (5 ~ 30000、デフォルト = 1000)。
  • [ポーリング間隔 (ms)]: オートメーションコントローラ上のビジョンコントロールブロックの連続するポーリング間の時間をミリ秒単位で指定します (5 ~ 30000、デフォルト = 1000)。
  • [リモートステーションに接続]: デフォルトでは、このチェックボックスはオフにされています。この場合、In-Sight ビジョンシステムは、入力した IP アドレスで指定した Ethernet モジュールを使用して、直接オートメーションコントローラに接続されています。
    • このチェックボックスがオンで、[コントローラタイプ] として [iQ-R/Q/L シリーズ (3E フレーム)][iQ-F シリーズ (3E フレーム)] または [CR800-D シリーズ (3E フレーム)] が選択されている場合、[ネットワーク番号]、[PC 番号] および [書込み先モジュール] の設定項目が有効になります。
    • このチェックボックスがオンで、[コントローラタイプ] で [FX シリーズ (1E フレーム)] が選択されている場合、[PC 番号] 設定項目が有効になります。
  • [ネットワーク番号]: 通信を行うのに使用する SLMP ネットワーク番号を指定します (0 ~ 239、デフォルト = 0、0 = ローカルネットワーク)。
  • [PC 番号 (16 進数)]: 指定した処理先モジュールのネットワーク上のステーション ID を 16 進値で指定します。

    16 進値 説明
    0xFF (デフォルト) ローカルステーションへの直接接続
    0x7E CC-Link IE フィールドネットワーク上のマスタステーション
    0x1 ~ 0x78 CC-Link IE フィールドネットワークアダプタ上のステーション
  • [書込み先モジュール]: ビジョンシステムの接続先のデバイスモジュールの ID を指定します。

    ID 説明
    0x3FF (デフォルト) ローカルステーション
    0x3D0 制御システム CPU
    0x3D1 スタンバイシステム CPU
    0x3D2 システム A CPU
    0x3D3 システム B CPU
    0x3E0 CPU 1
    0x3E1 CPU 2
    0x3E2 CPU 3
    0x3E3 CPU 4
  • [リセット] ボタン: [リセット] ボタンを押すと、値がすべてデフォルト設定値にリストアされます。
  • [テスト接続] ボタン: [テスト接続] ボタンは、In-Sight ビジョンシステムと三菱電機オートメーションコントローラの間の SLMP 経由の「テスト」接続を確立するために使用されます。[テスト接続] ボタンを押すと接続が開始され、接続を確立する試行が実行されます。30 秒後、タイムアウトになるまでに接続が確立されないか、またはエラー状態になった場合は、SLMP によってエラーを報告するエラーメッセージが表示されます。
:  [SLMP スキャナ設定] ダイアログで値を変更したにもかかわらず、ビジョンシステムで SLMP が有効にならない場合は、ビジョンシステムを再起動して SLMP を有効にする必要があることを示すメッセージが表示されます。この場合は、ビジョンシステムを再起動して SLMP を有効にする必要があります。

[デバイスのアドレス指定] タブ

[デバイスのアドレス指定] タブは、オートメーションコントローラ (PLC/MC およびロボットコントローラ) のデバイスアドレス、および In-Sight ビジョンシステムから三菱電機オートメーションコントローラに通信されるさまざまなデータブロックのサイズを設定するために使用されます。[デバイスタイプ] およびデータブロックサイズは、[設定] タブで定義する、[コントローラタイプ] ([iQ-F/R/Q/L シリーズ]、[FX シリーズ] または [CR800-D シリーズ]) によって異なります。

  • [名前] 列: オートメーションコントローラとの間で通信されるデータブロックの名前を指定します (読み取り専用)。
  • [選択中のデバイス] 列: データブロックの読み取りまたは書き込みに使用される PLC デバイスを指定します。使用可能なオートメーションコントローラは次のとおりです。

    PLC/MC

    コントローラタイプ デバイス
    iQ-R/Q/L シリーズ X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、L - ラッチリレー、F - アナンシエータ、B - リンクリレー、D - データレジスタ、W - リンクレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ。
    iQ-F シリーズ X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、F - アナンシエータ、D - データレジスタ。
    FX シリーズ X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ、S - ステートリレー。

    ロボットコントローラ

    コントローラタイプ デバイス
    CR800-D シリーズ D - データレジスタ
  • [オフセット] 列: データブロックの読み取りまたは書き込みに使用されるデバイステーブルのオフセットを指定します。オフセット値は、[選択中のデバイス] のタイプにより、10 進数、16 進数または 8 進数で入力します。

    PLC/MC

    コントローラタイプ デバイス
    iQ-R/Q/L シリーズ
    • [10 進値]: M - 内部リレー、L - ラッチリレー、F - アナンシエータ、D - データレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ。

    • [16 進値]: X - 入力リレー、Y - 出力リレー、B - リンクリレー、W - リンクレジスタ。
    iQ-F シリーズ
    • [10 進値]: M - 内部リレー、F - アナンシエータ、D - データレジスタ。

    • [8 進値]: X - 入力リレー、Y - 出力リレー。
    FX シリーズ
    • [10 進値]: M - 内部リレー、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ、S - ステートリレー。
    • [8 進値]: X - 入力リレー、Y - 出力リレー。

    ロボットコントローラ

    コントローラタイプ デバイス
    CR800-D シリーズ [10 進値]: D - データレジスタ。
  • [デバイス数] 列: PLC/MC と通信されるデータブロックのサイズを指定します。サイズは、オートメーションコントローラ「デバイス」で使用される単位で表されます (ワードまたはビットのいずれか)。固定サイズでないデータブロック、または参照した FormatInputBuffer または FormatOutputBuffer 関数によってサイズが自動的に設定されるデータブロックの場合にのみ設定可能です。[入力ブロック]、[出力ブロック]、[コマンド]、[コマンド結果] の最大データサイズは、選択した [コントローラタイプ] ([iQ-F/R/Q/L シリーズ]、[FX シリーズ] または [CR800-D シリーズ])) によって異なります。

    iQ-R/Q/L シリーズ

    名前 選択中のデバイス オフセット デバイス数 説明
    コントロール なし (デフォルト)、X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、L - ラッチリレー、F - アナンシエータ、B - リンクリレー、D - データレジスタ、W - リンクレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ 0 ~ 32 (読み取り専用) ビジョンコントロールの PLC 先頭アドレス。
    ステータス なし (デフォルト)、X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、L - ラッチリレー、F - アナンシエータ、B - リンクリレー、D - データレジスタ、W - リンクレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ   32 (読み取り専用) ビジョンステータスの PLC 先頭アドレス。
    入力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ、W - リンクレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ  

    2 つのデバイス1 + 入力データ長 (ワード単位)

    (最大: 960 ワード)

    ユーザデータの PLC 先頭アドレス。
    出力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ、W - リンクレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ  

    5 つのデバイス2 + 出力データ長 (ワード単位)

    (最大: 960 ワード)

    検査結果の PLC 先頭アドレス。
    コマンド なし (デフォルト)、D - データレジスタ、W - リンクレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ   0 ~ 960 (デフォルト = 0) コマンド文字列の PLC 先頭アドレス。
    コマンド結果 なし (デフォルト)、D - データレジスタ、W - リンクレジスタ、R - ファイルブロックレジスタ、ZR - ファイルレジスタ   0 ~ 960 (デフォルト = 0) コマンド結果データの PLC 先頭アドレス。

    1 2 つのデバイス (4 バイト/2 ワード) は、[Job Load ID] と [User Length] で使用します。

    2 5 つのデバイス (10 バイト/5 ワード) は、[Job ID]、[Acquisition ID]、[Inspection ID]、[Inspection Result Code]、[Inspection Result Length] で使用します。

    iQ-F シリーズ

    名前 選択中のデバイス オフセット デバイス数 説明
    コントロール なし (デフォルト)、X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、F - アナンシエータ、D - データレジスタ。 0 ~ 32 (読み取り専用) ビジョンコントロールの PLC 先頭アドレス。
    ステータス なし (デフォルト)、X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、F - アナンシエータ、D - データレジスタ。   32 (読み取り専用) ビジョンステータスの PLC 先頭アドレス。
    入力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ  

    2 つのデバイス1 + 入力データ長 (ワード単位)

    (最大: 960 ワード)

    ユーザデータの PLC 先頭アドレス。
    出力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ  

    5 つのデバイス2 + 出力データ長 (ワード単位)

    (最大: 960 ワード)

    検査結果の PLC 先頭アドレス。
    コマンド なし (デフォルト)、D - データレジスタ   0 ~ 960 (デフォルト = 0) コマンド文字列の PLC 先頭アドレス。
    コマンド結果 なし (デフォルト)、D - データレジスタ   0 ~ 960 (デフォルト = 0) コマンド結果データの PLC 先頭アドレス。

    1 2 つのデバイス (4 バイト/2 ワード) は、[Job Load ID] と [User Length] で使用します。

    2 5 つのデバイス (10 バイト/5 ワード) は、[Job ID]、[Acquisition ID]、[Inspection ID]、[Inspection Result Code]、[Inspection Result Length] で使用します。

    FX シリーズ

    名前 選択中のデバイス オフセット デバイス数 説明
    コントロール なし (デフォルト)、X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ、S - ステートリレー 0 ~ 32 (読み取り専用) ビジョンコントロールの PLC 先頭アドレス。
    ステータス なし (デフォルト)、X - 入力リレー、Y - 出力リレー、M - 内部リレー、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ、S - ステートリレー   32 (読み取り専用) ビジョンステータスの PLC 先頭アドレス。
    入力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ  

    2 つのデバイス1 + 入力データ長 (ワード単位)

    (最大: 64 ワード)

    検査結果の PLC 先頭アドレス。
    出力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ  

    5 つのデバイス2 + 出力データ長 (ワード単位)

    (最大: 64 ワード)

    ユーザデータの PLC 先頭アドレス。
    コマンド なし (デフォルト)、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ   0 ~ 64 (デフォルト = 0) コマンド文字列の PLC 先頭アドレス。
    コマンド結果 なし (デフォルト)、D - データレジスタ、R - 拡張レジスタ   0 ~ 64 (デフォルト = 0) コマンド結果データの PLC 先頭アドレス。
    1 2 つのデバイス (4 バイト/2 ワード) は、[Job Load ID] と [User Length] で使用します。

    2 5 つのデバイス (10 バイト/5 ワード) は、[Job ID]、[Acquisition ID]、[Inspection ID]、[Inspection Result Code]、[Inspection Result Length] で使用します。

    CR800-D シリーズ

    名前 選択中のデバイス オフセット デバイス数 説明
    コントロール なし (デフォルト)、D - データレジスタ 0 ~ 32 (読み取り専用) ロボットコントローラの PLC 先頭アドレス。
    ステータス なし (デフォルト)、D - データレジスタ   32 (読み取り専用) ロボットコントローラの PLC 先頭アドレス。
    入力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ  

    2 つのデバイス1 + 入力データ長 (ワード単位)

    (最大: 960 ワード)

    ユーザデータの PLC 先頭アドレス。
    出力ブロック なし (デフォルト)、D - データレジスタ  

    5 つのデバイス2 + 出力データ長 (ワード単位)

    (最大: 960 ワード)

    検査結果の PLC 先頭アドレス。
    コマンド なし (デフォルト)、D - データレジスタ   0 ~ 960 (デフォルト = 0) コマンド文字列のロボットコントローラ先頭アドレス。
    コマンド結果 なし (デフォルト)、D - データレジスタ   0 ~ 960 (デフォルト = 0) コマンド結果データのロボットコントローラ先頭アドレス。
    1 2 つのデバイス (4 バイト/2 ワード) は、[Job Load ID] と [User Length] で使用します。

    2 5 つのデバイス (10 バイト/5 ワード) は、[Job ID]、[Acquisition ID]、[Inspection ID]、[Inspection Result Code]、[Inspection Result Length] で使用します。

    :  
    • データブロックの [選択中のデバイス] パラメータが [なし] に設定されている場合、オートメーションコントローラとの間でデータブロックは通信されません。
    • 入力および出力データブロックは、コントロールおよびステータスワードデータでインライン通信されるため、TN および CN タイプのデバイスはサポートされていません。
    • iQ-R/Q/L シリーズ、iQ-F シリーズおよび CR800-D シリーズでは、現在使用することができるフレームフォーマットのほとんどを処理できます (3E フレーム)。ただし、FX シリーズでは、最初の世代のプロトコルメッセージフレーム (1E フレーム) のみを処理することができます。このため、1 パケット内で送信可能なデータ量は制限されます。

    最大データサイズ

      iQ-R/Q/L シリーズ、iQ-F シリーズおよび CR800-D シリーズ FX シリーズ
    バッチ読み取りビット数 7904 ビット 256 ビット
    バッチ読み取りワード数 960 ワード 64 ワード
    バッチ書き込みビット数 7904 ビット 160 ビット
    バッチ書き込みワード数 690 ワード 64 ワード