キャリブレーション関数
キャリブレーションとは、ピクセルの計測値を、わかり易い実世界値に変換するプロセスです。このプロセスでは、2 次元 (2D) 変換によって、画像のピクセル座標の点をワールド座標へ数学的にマッピングします。画像のキャリブレーションが完了すると、ほかのビジョンツールは、そのキャリブレーションを入力として参照することで、結果をキャリブレーションされた単位 (実世界値) で報告できるようになります。
In-Sight Explorer では、3 つの異なるキャリブレーション方法、キャリブレーションを画像に関連付ける手段、および画像座標とワールド座標間で変換を行う 10 個の座標補正関数を提供しています。
- Calibrate 関数: ユーザ指定の 4 つの点を使用して、ピクセル座標系とワールド座標系間で変換を行うための 2D 変換を作成します。線形および非線形歪みを補正します。
- CalibrateAdvanced 関数: ユーザ指定の 1 ~ 32 個の点を使用して、ピクセル座標系とワールド座標系の間で変換を行うための 2D 変換を作成します。線形および非線形歪みを補正し、Calibrate 関数よりも高精度です (5 つ以上の点を使用)。
- CalibrateGrid 関数: ユーザ設定可能なキャリブレーショングリッドパターンを使用して、ピクセル座標系とワールド座標系間で変換を行うための 2D 変換を作成します。線形、非線形、およびレンズ歪みを補正し、最も高い精度を提供します。
注 :
- Calibrate 関数、CalibrateAdvanced 関数、または CalibrateGrid 関数を使用する場合、物理セットアップと光学セットアップ (レンズ、センサ、およびセンサと取り込まれるシーンの間の物理的関係) はキャリブレーション操作とランタイム操作の両方で同一にする必要があります。このうちのいずれかが変更された場合、システムを再キャリブレーションする必要があります。したがって、キャリブレートとランタイム画像の処理の両方で、同じセンサとレンズを使用することを推奨します。センサとレンズでは、元のセットアップおよびキャリブレーション設定を変更しないようにする必要があります。例えば、画像取り込みフォーマットの変更 (解像度の変更による) またはセンサの移動を行うと、ピクセルをワールド座標にマッピングする 2D 変換が不正になります。
- In-Sight 5604 ラインスキャンビジョンシステムは、ピクセル座標でのみ動作します。In-Sight 5604 で実行されているジョブに Calibrate 関数が追加されていると、不正な結果がもたらされます。
- CalibrateImage 関数: キャリブ構造体を画像構造体に関連付けます。これは、ほかのビジョンツールから参照することができます。
- ExtractCalibration 関数: TransformImage 関数によって返される画像構造体に基づいて、ワールド座標への 2D 変換を作成します。
- TransBlobsToWorld 関数: ブロブ構造体のピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransEdgesToWorld 関数: エッジ構造体のピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransFixtureToWorld 関数: フィクスチャのピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransformImage 関数: CalibrateGrid 関数に存在する歪みを補正する画像構造体を生成します。
- TransInspEdgeDefectToWorld 関数: InspectEdgeForDefect 検査データ構造体のピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransInspEdgeWidthToWorld 関数: InspectEdgeWidth検査データ構造体のピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransOCRMaxToWorld 関数: OCRMax データ構造体のピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransPatternsToWorld 関数: パターン構造体のピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransPixelToWorld 関数: ピクセル座標からワールド座標に点を変換します。
- TransSurfaceFlawToWorld 関数: 傷検査構造体のピクセル座標をワールド座標に変換します。
- TransWorldToPixel 関数: ワールド座標をピクセル座標に変換します。
注 : ワールド座標系で報告されるビジョンツールの結果出力は、ほかのビジョンツールにおいてフィクスチャまたは領域の入力として使用することはできません。