SLMP スキャナ通信で使用するための In-Sight ビジョンシステムの設定

このトピックでは、三菱電機オートメーションコントローラ (PLC/MC およびロボットコントローラ) への SLMP スキャナ通信を使用して、In-Sight ビジョンシステムを接続する方法について説明します。SLMP スキャナを使用すると、In-Sight ビジョンシステムの入力および出力を MELSEC オートメーションコントローラのプロセスメモリにマップすることができます。これらの値は、確立後、SLMP スキャナ通信の更新レートパラメータ設定によって定義される間隔で同期されます。

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  • このトピックでは、PLC/MC およびロボットコントローラを総称して、「オートメーションコントローラ」と呼びます。
  • In-Sight 2000 シリーズビジョンセンサは、ロボットコントローラをサポートしていません。
  • In-Sight ビジョンシステムの入力および出力のプロセスメモリへのマップの詳細については、「SLMP スキャナのファクトリインタフェース」で説明されています。ブロックのレイアウトは、In-Sight ビジョンシステムに搭載されているファームウェアバージョンによって異なりますので、ご注意ください。
  • SLMP スキャナが MELSEC FX シリーズ (1E フレーム)Ethernet モジュールに割り当てられているとき、使用可能なポートと最大接続数はモジュールのモデルタイプ (FX3U-ENET または FX3U-ENET-L) によって異なります。詳細については、該当するモジュールのマニュアルを参照してください。

    モデルタイプ 使用可能なポート 最大
    接続数
    FX3U-ENET すべてのポート (C1 ~ C8) 4
    FX3U-ENET-L C3 および C4 2

SLMP スキャナ通信の確立

In-Sight ビジョンシステムと SLMP スキャナ通信を確立するためには、In-Sight ビジョンシステムの [ネットワークの設定] ダイアログを使用して、SLMP スキャナが有効になるようにビジョンシステムを設定しておく必要があります。有効にした後、[SLMP スキャナ設定] ダイアログを使用して、MELSEC オートメーションコントローラ (PLC/MC またはロボットコントローラ) への接続を設定し、デバイスアドレスおよびさまざまなデータブロックのサイズを定義します。

  1. In-Sight Explorer を開き、該当する In-Sight ビジョンシステムに接続します。
  2. [センサ] メニューから [ネットワークの設定] ダイアログを開きます。
  3. オートメーションコントローラと通信する場合、ダイアログの [産業用イーサネット] ドロップダウンから [SLMP スキャナ] を選択し、[設定] ボタンを押して [SLMP スキャナ設定] ダイアログを起動します。

    ロボットコントローラと通信する場合、ダイアログの [ロボット] ドロップダウンから [三菱電機] を選択し、[設定] ボタンを押して [SLMP スキャナ設定] ダイアログを起動します。

  4. [SLMP スキャナ設定] ダイアログの [設定] タブを使用して、三菱電機オートメーションコントローラとの接続を確立するのに必要な接続情報を定義します。
  5. [SLMP スキャナ設定] ダイアログの [デバイスのアドレス指定] タブを使用して、デバイスのアドレス、およびオートメーションコントローラと通信するさまざまなデータブロックのサイズを定義します。

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    In-Sight ビジョンシステムの入力および出力のプロセスメモリへのマップの詳細については、「SLMP スキャナのファクトリインタフェース」で説明されています。ブロックのレイアウトは、In-Sight ビジョンシステムに搭載されているファームウェアバージョンによって異なりますので、ご注意ください。

  1. In-Sight ビジョンシステムを再起動し、電源の再投入後に SLMP スキャナサービスを有効にします。

画像取り込みトリガを受信するための In-Sight ビジョンシステムの設定

In-Sight ビジョンシステムを三菱電機オートメーションコントローラと統合すると、MELSEC オートメーションコントローラ (PLC/MC またはロボットコントローラ) から画像を取り込むためにビジョンシステムをトリガできるようになります。AcquireImage 関数の [トリガ] パラメータを [ネットワーク] に設定すると、SLMP スキャナ通信が有効になっている場合に、オートメーションコントローラでビジョンシステムをトリガすることができます。

  1. AcquireImage 関数のプロパティシートを開きます。
  2. [トリガ] パラメータを [ネットワーク] に設定します。
  3. In-Sight ビジョンシステムをオンラインにします。
  4. In-Sight ビジョンシステムは、ビジョンコントロールビットブロックの Trigger Enable および Trigger ビットを直接操作することによりトリガできます。またビジョンステータスビットブロックの Trigger Ready、Trigger Ack、および Missed Acq ビットをモニタリングすることによりトリガできます。

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    In-Sight ビジョンシステムの入力および出力のプロセスメモリへのマップの詳細については、「SLMP スキャナのファクトリインタフェース」で説明されています。ブロックのレイアウトは、In-Sight ビジョンシステムに搭載されているファームウェアバージョンによって異なりますので、ご注意ください。

In-Sight ビジョンシステムからのデータの取得

In-Sight Explorer スプレッドシートから MELSEC オートメーションコントローラ (PLC/MC またはロボットコントローラ) でデータを取得するためには、WriteResultsBuffer 関数を使用して、データが SLMP スキャナスタックにプッシュされる必要があります。この関数は、FormatOutputBuffer 関数によって作成されたデータのバッファを取り、そのデータを MELSEC オートメーションコントローラの設定済みデータテーブルに書き込みます。このデータは、次の更新サイクルの際に転送されます。

  1. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで FormatOutputBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  2. [FormatOutputBuffer] ダイアログの [追加] ボタンをクリックします。これでセル選択モードになります。MELSEC オートメーションコントローラに転送されるデータを選択します。
  3. 送信する追加データがある場合は、FormatOutputBuffer ダイアログで、[追加] ボタンをクリックします。これで再びセル選択モードになります。転送する追加データを選択します。
  1. [OK] ボタンをクリックして、[FormatOutputBuffer] ダイアログを閉じます。
  2. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで WriteResultsBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  3. WriteResultsBuffer 関数の [プロトコル] パラメータを 2 = SLMP スキャナにセットします。WriteResultsBuffer 関数の [バッファ] パラメータを、作成したばかりの FormatOutputBuffer 関数のバッファデータ構造体へのセル参照として設定します。
  4. オプションで、[Result Code] パラメータを、検査結果の結果コードを取得するためのスプレッドシート内のセルへのセル参照としてセットします。

In-Sight ビジョンシステムへのデータの送信

MELSEC オートメーションコントローラ (PLC/MC またはロボットコントローラ) から In-Sight Explorer スプレッドシートにデータを送信するためには、ReadUserDataBuffer 関数を使用して、データを SLMP スキャナスタックからプルする必要があります。この関数は、FormatInputBuffer 関数内で作成されたデータ形式を取り、MELSEC オートメーションコントローラから受信したデータを読み取って、このデータを書式設定して In-Sight Explorer スプレッドシートに挿入します。

:  In-Sight ビジョンシステムをトリガして MELSEC オートメーションコントローラからユーザデータを読み取るためには、ビジョンコントロールビットブロックの Set User Data ビットをオートメーションコントローラからトリガする必要があります。
  1. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで FormatInputBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  2. [FormatInputBuffer] ダイアログの [追加] ボタンをクリックして、32 ビットの浮動小数点数と 32 ビットの整数をリストに追加します。
  3. [OK] ボタンをクリックして、[FormatInputBuffer] ダイアログを閉じます。
  4. 空白のセルを右クリックして [関数の挿入] を選択し、[関数の挿入] ダイアログを開きます。左側のペインで [入出力] カテゴリをクリックし、その後、右側のペインで ReadUserDataBuffer 関数をダブルクリックして、スプレッドシートに挿入します。
  5. ReadUserDataBuffer 関数の [バッファ] パラメータを、作成したばかりの FormatInputBuffer 関数のバッファデータ構造体へのセル参照として設定します。
  6. ReadUserDataBuffer 関数の [プロトコル] パラメータを 2 = SLMP スキャナにセットします。
  7. 関数が実装されたら、In-Sight ビジョンシステムをオンラインにして、設定をテストします。