ExportData

ExportData 関数は、スプレッドシートであらかじめ定められたイベントが、あるセルデータ (.CXD) ファイルのエクスポートを示しているときに、このファイルに、スプレッドシートのセル内のデータを自動的にエクスポートする関数です。この関数により、あるビジョンシステムの 1 つのセルに入っているデータが、ローカルまたはネットワークに接続された In-Sight ビジョンシステムのフラッシュメモリ、FTP を経由した中央サーバ、またはローカルもしくはネットワークに接続されたビジョンシステムの RAM ディスクまたは SD カードのいずれか 1 つにエクスポートされます。

ExportData 関数を使用して .CXD ファイルをエクスポートした場合、データは ExportData 関数の一部となり、編集できません。エクスポートした .CXD ファイルをクリックすると、エクスポートしたデータタイプに対応したプロパティシートではなく、ExportData 関数のプロパティシートが開きます。ExportData 関数は、次のデータタイプをエクスポートできます。DelayLineCountPassFailCalibrateCalibrateAdvancedFindPatternsOCRMaxOCRMaxSettingsTrainPatMaxPattern、および TrainFont

:  ExportData 関数では、PC 上のスニペットフォルダに .CXD ファイルをエクスポートすることはできません。
警告 :  
  • ExportData 関数を使用してデータを書き込むと、ジョブがブロックされることがあります。つまり、ジョブの速度が低下し、ジョブの処理時間がトリガ期間よりも長くなった場合に、ビジョンシステムによってトリガがキューされたり、失敗したりすることがあります。
  • ローカルまたはネットワークに接続された In-Sight ビジョンシステムのフラッシュメモリへの書き込みに ExportData 関数を使用する場合、1 秒あたり 0.5 KB を超えるデータをフラッシュメモリに 16 回連続で書き込むと、警告が発せられ、ジョブの速度が低下しますので注意してください。この場合、データが欠落、または無視されることはありません。In-Sight ビジョンシステムのフラッシュメモリは、1 ページあたり約 100,000 回の書き込みで寿命となります。 したがって、ExportData 関数を使用する場合は、ビジョンシステムのフラッシュメモリを保護するための予防措置を講じておく必要があります。

ExportDataの入力パラメータ

Syntax:ExportData(イベント,ホスト名,ユーザ名,パスワード,ファイル名,セル)

イベント

データを読み取る更新イベントを指定します。このパラメータは、次のいずれかを参照している必要があります。

  • AcquireImage 関数を含むセル A0 の画像データ構造体
:  データをフラッシュメモリに書き込んでいる最中に、イベントが 画像データ構造体に設定されると、#ERR が返されます。
  • イベント関数を含んでいるセル
  • Button 関数を含んでいるセル。
:  ExportData 関数のデフォルトイベントパラメータ設定が 0 で、この設定が 0 のままである場合、[Export] ボタンが ExportData セルの隣に作成されます。
ホスト名

ファイルが保存される場所を示します。  ファイルは、フラッシュメモリ経由でローカルまたはネットワークに接続されたビジョンシステム、FTP を経由した外部サーバ、またはローカルもしくはネットワークに接続されたビジョンシステムの RAM ディスクまたは SD カードに格納できます。

:  
  • [ホスト名] ドロップダウンには、In-Sight ビジョンシステムのホスト名やネットワーク上のエミュレータは表示されません。ターゲットのビジョンシステム/エミュレータの IP アドレスを [ホスト名] フィールドに手動で入力してください。
  • フラッシュメモリにデータをエクスポートする場合、[ホスト名] フィールドは空欄のまま(例: "")にしておく必要があります。
  • インポート先に FTP サーバが指定されているときに、データ転送時にこの FTP サーバが使用できなかった場合、タイムアウトまで数秒かかります。タイムアウトした場合、In-Sight Explorer はビジョンシステムから切断されることがあります。
ユーザ名 ファイルの格納先ビジョンシステムまたはデバイスのファイルシステムにアクセスするユーザの名前を指定します。データをローカルビジョンシステムのフラッシュメモリ、RAM ディスク、または SD カードにエクスポートする場合は、このフィールドを空白のままにしておくことができます。
パスワード

ファイルの格納先ビジョンシステムまたはデバイスのファイルシステムへのアクセスに使用するパスワードを指定します。データをローカルビジョンシステムのフラッシュメモリ、RAM ディスク、または SD カードにエクスポートする場合は、このフィールドを空白のままにしておくことができます。

:  ホスト名、ユーザ名、およびパスワードパラメータは、インポート先が FTP の場合のみ必要です。
ファイル名

格納する情報の識別に使用されるファイルの名前を指定します。目的の場所に同じ名前のファイルがすでに存在する場合、既存のファイルは上書きされます。

  • RAM ディスクからエクスポートする場合、ファイル名の前に、"ramdisk/" を付けて指定する必要があります。例えば、"ramdisk/PartXPattern" と指定します。ここでは大文字と小文字は区別されません。
  • SD カードからエクスポートする場合、ファイル名の前に、"sdcard/" を付けて指定する必要があります。例えば、"sdcard/PartXPattern" と指定します。ここでは大文字と小文字は区別されません。
:  ファイル名に拡張子をつける必要はありません。 テキスト文字列に自動的に追加されます。異なるファイル名拡張子を指定した場合、#ERR が返されます。
セル エクスポートされるセルを表します。GetString 参照など、ほかの構造体への参照がセルに含まれている場合、実際にこのセルに含まれている値がエクスポートされます。

ExportDataの出力

戻り値

FTP を経由した外部サーバ、ローカルまたはネットワークに接続された In-Sight ビジョンシステムのフラッシュメモリ、またはローカルもしくはネットワークに接続されたビジョンシステムの RAM ディスクまたは SD カードに格納可能な .CXD ファイルが作成されます。

:  ExportData 関数の結果として #ERR が返された場合、GetErrorString を使用して、原因を判定することができます。

次の 3 つの条件のうち 1 つが満たされた場合、ExportData 関数により .CXD ファイルがエクスポートされます。

  • ExportData 関数のプロパティシートの [OK] ボタンが押された。
  • イベントが受信された。
  • イベントパラメータが ON (または参照先のセルが 0 以外)のとき、ExportData の入力パラメータの 1 つが更新された。
:  ExportData 関数は、オフラインモードでも、データをエクスポートします。

ExportData 関数の例

ExportData(A8,"FTPServer1","operator1","","PartXPattern",H7)

セル A8 でイベントがトリガされた後、スプレッドシートが更新されるたびに、セル H7 にあるデータが、ファイル PartXPattern.cxd として、FTPServer1 に書き込まれます。ユーザ名は operator1 と指定されています。 また、パスワードは空白です。

EV ExportData(1,"","","","FindPatterns",F4)

  1. FindPatterns 関数がセル F4 に挿入されます。
  2. Telnet セッションが開かれ、Evaluate Native Mode コマンド、EV ExportData(1,"","","","FindPatterns",F4) が実行されます。セル F4 の FindPatterns 関数は、ファイル FindPatterns.cxd に書き込まれ、ローカルビジョンシステムのフラッシュメモリに保存されます。データはビジョンシステムに書き込まれるので、ユーザ名やパスワードは必要ありません。